列車内の安全対策に「防刃傘」 切りつけ事件を機にJR西が開発
JR西日本は17日、列車内に刃物を持つ人物が現れた際に一定の距離をとり、乗客が避難できる時間を確保する「防刃傘」を開発したと発表した。昨年7月に関空快速の車内で起きた切りつけ事件を機に開発を進めていた。来年3月までに近畿圏で防犯カメラが整備された車両に順次搭載する。 【写真】JR西日本が開発した防刃傘=2024年10月17日、大阪市北区、瀬戸口和秀撮影 防刃傘は長さが約1メートル、直径約1.1メートル、重さ約700グラム。列車の乗務員室などに1編成あたり2本、全体で約600編成を対象に計約1200本を搭載する。 傘の生地には刃物で切れにくくて透ける特殊な素材を使う。フレームの本数は16本で、一般的な傘より増やし、柄も太くして強度を高めた。 また、柄を長くして一定の距離を保てるようにし、先端部分は約3センチと短くすることでつかみづらくした。さすまたなどよりコンパクトに収納でき、軽量で誰でも扱いやすいという。
朝日新聞社