大ケガで歩行もできないと宣告…死ぬ気のリハビリで運転できるまでになったアルファ ロメオ「ジュリエッタ スプリント」と歩んだ人生とは
ジュリエッタとともに幸せの絶頂を歩んでいたときに起きた悲劇
まだ結婚前だった頃、現在の奥さまと「アルファ ロメオデイ」というイベントに行った時には、その夜に逆プロポーズされ、2004年に開催されたジュリエッタ50周年イベント「ピアチェーレ」の参加翌月に挙式するなど、奥さまとの思い出もジュリエッタに刻まれる。 そんな小熊さんを悲劇が襲う。転落事故に遭い頸髄を損傷、あと数ミリ上だと自発呼吸もできなかっただろうというほどの重傷を負うのだ。受傷当時は首から下の感覚は完全に失い、自分の手足がどこにあるのかすら分からない状態でぴくりとも動かせなかった。 「クルマがない人生なんて、考えられませんでしたから、死ぬ気でリハビリしました。医師からは、運転はもちろん、歩くこと、字を書くことももう無理だろうと宣告されていましたが、リハビリセンターに半年入院し、その後自宅でリハビリを続けて1年半後に運転復帰できたのです」 右手シフトのジュリエッタに乗るには、同じ左ハンドル車で訓練する必要があると感じた小熊さん。最初練習していた軽トラックからプジョー「106」へと乗り換え、さらに運転に不安がなくなるまで練習を続け、ついに受傷から4年と8カ月を経て、再びジュリエッタのハンドルを握ることができたのは2018年の6月であった。 「今も動かせるというだけで、以前のように走らせるという運転には程遠いですが……。怪我もあったので、息子の瑠威とは遊びも一緒にできませんでしたから、こうして一緒にロングドライブができたのは嬉しいです」 瑠威くんも「本格的なイベントは初めてなので、いろいろなクルマを見れたのが楽しかった」とはにかむ。小熊さんはこのイベントについても、こうコメントしてくれた。 「イタジョブは、まだ健常だったころからの知己も多くいるのと、アルファ ロメオが好きな人たちが同じく好きな仲間たちのために作った気持ちの良いイベントだから、自宅の千葉からは遠いですけれど足を運ぶ理由ですね」
奥村純一(OKUMURA Junichi)
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