レバノンへのシリア難民が100万人超す UNHCR発表
内戦が続くシリアで深刻化する難民問題。4月3日には国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)から、隣国のレバノンへのシリア難民が100万人を超えたと発表された。レバノンをはじめ、トルコ、イラクなどの周辺国に避難した住民総数は約263万人となっている。
内訳は、レバノンが最多で100万人、トルコ67万人、ヨルダン59万人、イラク22万人、エジプト14万人。 レバノンへの難民は、シリア内戦が始まった直後の2011年4月は2058人だったが2年後の2013年4月には35万人を突破、この1年でさらに流入が加速し、一気に65万人増えた計算だ。100万人という数字はレバノンの人口の4分の1に相当する。 シリアの人口は約2240万人(2012年世界銀行調べ)。シリア人権監視団のまとめでは、シリア内戦による死者は15万人を超えたという。 シリア難民は、避難先の国で必要な支援が得られないという問題もある。フォトジャーナリストの久保田弘信さんは、トルコからシリアに戻っていくシリア難民の家族をカメラに収めた。ある男性は「シリアから逃げて来たけど、トルコでは支援がなくて生きていけない。危険は承知でシリアに帰る」と話していたという。 国連は、シリア人道支援に2014年は65億ドル(6764億円)が必要としている。