少年はなぜ大麻の売人になったのか 試しに吸って沼にはまった 「人を不幸にしたと知った」
薬物をやめるためには
出院後の不安は大きい。再び薬物に手を出さないだろうか。「薬物は頭で駄目だと分かっていても体がやりたくなるかもしれない。『もうやらない』と断言できない」 もどかしい気持ちを抱えながら、剛は夢中になれる趣味に没頭しようと考えている。それでも薬物をやりたくなったら、友人や親に連絡して止めてもらうと話す。 一番の懸念は悪友関係を断ち切れるかどうかだ。「一緒にやっていた先輩とはもう関わらないつもりだが、自分を捜していたら、迫ってきたらどうやって追い返せるか…。自分の代わりに友人に売人になるように迫っていたりしないかな。ここが一番不安です」 院内で誓った決意を出院しても継続できるか。ちゃんと周りに頼れるか。薬物を断って社会復帰できるように、好きな言葉「継続は力なり」を胸に刻む。 沖縄少年院の担当者によると、2024年2月8日時点で沖縄少年院には29人が在院している。2022年中に入った少年は約20人で、特殊詐欺が25%、道交法違反20%、傷害・暴行20%、窃盗が10%だった。年齢別では、17歳が25%、18~19歳の特定少年が約6割を占めた。