最先端のがん治療法に触れる 山形大医学部、重粒子線施設を一般公開
山形市の山形大医学部東日本重粒子センターで9日、施設見学会が開かれ、県内外から訪れた家族連れなど約300人が最先端のがん治療法に触れた。 参加者はどの角度からでも重粒子線を照射でき、さまざまな部位のがん治療に対応する「回転ガントリー」、炭素イオンを光の約70%の速さにする直径約20メートルの「シンクロトロン加速器」などを見学した。スタッフの説明を受け、従来のエックス線治療に比べピンポイントで照射でき、正常な組織を傷つけにくく、副作用が少ないとされる重粒子線治療の特長も学んだ。 高畠町糠野目小6年の金子沙葵さん(11)は宇宙船をイメージしたセンター内のデザインに注目し、「歩いていてわくわくする。山形にこんな最先端の施設があるとは知らなかった」と話していた。 同センターは重粒子線治療の認知度向上を目的に、県内外への情報発信を強化しており、初めて地域住民向けに施設を公開した。岩井岳夫センター長は「重粒子線治療が適しているのに治療にたどり着けない患者を少しでも減らすため、来年以降も見学会を開催したい」と話した。