フォルクスワーゲンCEO、労組のコスト削減案「十分でない」
(ブルームバーグ): フォルクスワーゲン(VW)のオリバー・ブルーメ最高経営責任者(CEO)は4日、団体交渉で労働組合側が提示したコスト削減案について、交渉のスタート地点にはなるが、VWブランドの競争力低下に対処するには十分ではないと述べた。
VW本社のあるウォルフスブルクでの集会に集まった数千人の労働者に対し、ブルーメ氏は「われわれ経営陣は急速に変化する環境の中で意思決定を行っている。この会社の将来について懸念している」と呼びかけた。
フォルクスワーゲンの労働者は、2日にドイツ全土でストライキを行い、国内一律10%の賃金カットと前例のない工場閉鎖の方針を示している同社経営陣に圧力をかけた。金属産業労組(IGメタル)は、推定約10万人の労働者がストライキに加わり、4日の集会には約2万人が参加したと発表した。
VW経営陣は先週、配当金やボーナスを減額したうえ、賃上げ分を解雇やシフト削減の費用に充てる基金として蓄えることなどを含む、労組による15億ユーロ(約2380億円)相当のコスト削減策を却下した。
ハイル労働・社会相は4日、VWは強制解雇を伴わない公正な解決策を見つけるべきだと注文をつけた。ハイル氏の所属する社会民主党(SPD)は、来年2月の選挙に向けた政治的な攻防の真っただ中にいる。
原題:VW CEO Tells Workers Their Cost-Cutting Plan Is Not Enough (1)(抜粋)
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Monica Raymunt