目標出荷量は60トン、大手ガス会社がサーモンを陸上養殖!電子機器メーカーはマスク、JR東日本は農業、太陽光発電会社はベーカリー...増加する企業の異業種参入
実証実験として始まった養殖。初めて出荷した2022年6月は約2トン、翌年には約12トンに出荷量は増えました。現在、工場では、サーモン養殖の規模拡大に着手。今年から養殖の事業化が決定し、敷地内に新たに5つの水槽を増設する工事が進められています。
11月の養殖開始に向け、約4万引きの稚魚を確保。『東邦ガス』木村さんによると、出荷量は去年の5倍以上となる60トンを目標にしているといいます。
『東邦ガス』が、愛知県知多市の工場でガス製造と並行して養殖する「知多クールサーモン」。今後の展望について、『東邦ガス』木村さんは「生産規模を拡大するだけではいけなくて、きちんと販路も拡大して、地域にも認められないといけないので、これからしっかりと頑張っていかないといけない」と語りました。
太陽光でパンを焼く!活発化する企業の異業種参入
知多市のふるさと納税返礼品にも選ばれている「知多クールサーモン」。『東邦ガス』以外にも、異業種に参入する企業が続々と増えていました。 電気機器メーカー『シャープ』は、コロナ禍にマスクを製造。液晶パネルを製造するときに使う、チリやホコリなどが極端に少ないクリーンルームが、マスクの製造に適していました。『JR東日本』は農業に参入し、地方の作物を鉄道網で新鮮な状態で首都圏へ輸送。 岐阜県中津川市にある『東濃建設』は、チョウザメの養殖し、キャビアなども出荷。公共事業など本業の建設仕事が減るなかでチョウザメの養殖を知り参入。建設業のノウハウを活かして養殖や加工に適した施設を作ったといいます。 また、ベーカリー事業に参入したのは、名古屋市で太陽光発電の設置などを行う『フジサービス』。屋根にある太陽光パネルで発電し、電気窯でパンを焼いています。
本業のなかにある、異業種参入へのキッカケ。中京テレビ「キャッチ!」コメンテーターで、中央大学法科大学院教授や弁護士など多方面で活躍している野村修也氏は、異業種参入をSDGsの一環としてとらえ、「社会課題を解決しながら、新しいビジネスを生んでいくことがSDGs。好循環を考えていくのが今のトレンドなので、(各企業の取り組みは)単なる異業種参入という捉え方より、本業の見直しという側面がある」と話しました。