S&Pの指数で異例のミス、モルガンSやPNCの株価に謎の動き
(ブルームバーグ): 金融情報サービス会社S&Pグローバルによる異例のミスを受け、大手米銀の一部の株価がここ数日に異例の値動きを見せた。
モルガン・スタンレーとPNCファイナンシャル・サービシズ・グループ、ノーザン・トラストの3行は、S&Pグローバルが1日に指数構成銘柄に関する誤った予備情報を公表した後、株価と出来高が大きく変動した。
事情に詳しい関係者によると、3行は他の多くの金融機関と共に、高配当利回り銘柄を追跡する指数の構成銘柄リストに含められた。S&Pによれば、ダウ・ジョーンズ米国配当100指数は「一貫して配当金を支払ってきた」企業で構成される。
しかし、これらの金融機関は本来組み入れられる銘柄ではなかった。処理ミスにより、金融機関10社が誤って組み入れられた。このミスはS&Pに連絡され、同社は5日に当該企業を除外するとした最新の通知を送った。
S&Pの広報担当は「S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは、ダウ・ジョーンズ米国配当100指数の予備的再構成データの誤りを特定して修正し、更新されたプロフォーマ・データを3月5日に顧客に送付した」と説明。指数自体には影響はなかったと付け加えた。
モルガン・スタンレーの担当者はコメントを控えた。ノーザン・トラストの担当者はすぐにコメントを出さず、PNCの担当者はコメント要請に応じなかった。
モルガン・スタンレーとPNCの株価は4日と6日にいずれも大幅変動し、売買高は過去5年間の1日平均の2倍以上に膨らんだ。指数に組み入れられれば、それをベンチマークとするファンドがこれらの株を追加する動きが出てくる公算が大きい。4日の買いはそれを先取りしようとするトレーダーの動きだった可能性もあり、同様に、誤りが判明した後に売りが出たと考えられる。
ダウ・ジョーンズ米国配当100指数について、S&Pは毎年3月に構成銘柄を入れ替えている。この作業の予備的結果は、市場参加者に約2週間回覧される。この間に市場参加者はフィードバックを行うこともでき、入れ替えの実施に備えることが可能。今年の銘柄入れ替えは3月18日の予定となっている。