絶対に許せない。悔しくて怒りが収まらないのに…不倫の慰謝料を「請求できない」2つのケース【離婚専門弁護士が解説】
浮気・不倫の慰謝料の相場
慰謝料には明確な金額の基準は存在していません。ケースによって、慰謝料の相場が変わってくるのが一般的です。浮気相手から精神的な苦痛を受けたことに対して支払われるお金なので、必ずしも「いくら支払う」という基準がないのです。 ただ、目安としては、おおむね50万円から150万円程度が不倫による慰謝料のいわゆる「相場」として考えられる金額です。これらの相場は、裁判をしたときの慰謝料金額になります。慰謝料の相場に関しては、浮気による損害の規模、事情や状況などによって金額が変わっていきます。 なお、上記の相場は、あくまでも浮気・不倫相手に対する「不倫をしたことについての慰謝料」の相場ですので、配偶者に対して、離婚に伴って請求するいわゆる「離婚慰謝料」というものとは別に考えなければいけない点に注意が必要です。
慰謝料を請求する前に知っておくべき4つのこと
いざ慰謝料を請求しようと思ったとき、まずその前にやっておくべきことがあります。慰謝料の請求に失敗しないように、しっかりとやるべきことを把握しておくことが理想的です。 1.本当に慰謝料の請求が可能なのかどうか検討する 現在の状況を見直してみて、本当に自分が慰謝料請求をすることができるのか、する必要があるのかを検討してください。先ほどご紹介したように、慰謝料請求ができないケースに当てはまっていれば、請求ができないため、請求を諦めざるを得ないことになります。 2.慰謝料請求のために必要な「証拠」を集める 慰謝料というのは、浮気相手に「故意・過失」がある場合に請求ができます。 この場合の「故意・過失」とは、簡単にいえば、浮気相手が、夫・妻が「既婚者であることを知っていた」または「既婚者であることを注意すればわかるはずだったのに、不注意で気付かなかった」状態のことです。 慰謝料を請求する場合は、この浮気相手の「故意・過失」を証明できるものが必要です。 たとえば、配偶者と浮気相手の「会話の録音」、「メールのやり取り履歴」や「電話の通話履歴」などの証拠を集める必要があります(なお、これらの証拠のほかに「浮気相手と会っているときに結婚指輪をつけていた」などといった状況があったこと等から、「既婚者と知っていた」、「既婚者だと気付くことができたはず」と証明していく方法もあります。)。 ただ、たとえば「メールのやり取り」などだけでは、既婚者だと知っていたことを証明できない場合もあります。この場合は、浮気相手が否定をし続ければ、慰謝料請求が失敗する可能性もあります。 自分だけの力で証拠を集めることができない、難しいという場合には「弁護士」「探偵」などに依頼をして、証拠を集めてもらうのも1つの方法です。 3.慰謝料請求で失敗しないように交渉方法を考える 慰謝料請求というのは、「当事者同士」で交渉をするか「裁判」を通して請求するか2通りの選択肢があります。 基本的には、「当事者同士」で交渉をするのですが、話し合いがうまくいかず決裂した場合には、「裁判」を行うことになります。 慰謝料請求というのは複雑なものなので、間違った請求の仕方をすると、請求できたはずの慰謝料を請求できなくなる場合があります。ですから、どのような慰謝料請求の交渉方法を選択すればいいのか、まずは「専門家」に相談をするのが理想的です。 4.基本的には「弁護士」に相談をすると慰謝料請求の失敗を防げる 慰謝料請求をする前にやるべきことを紹介しましたが、やはり基本的には「弁護士」にご相談いただくことをおすすめします。慰謝料請求はケースバイケースという現状があり、ケースごとによって気を付けなければいけないポイントが異なるなど複雑で、やることがたくさんあります。これらを1人で行うのは、かなり難しいものです。 慰謝料請求をしたものの、裁判になってしまったという場合に、弁護士に最初から相談しておけばよかったと後悔する人もいます。そうならないためにも、弁護士に相談をして慰謝料請求の正しいやり方を提示してもらう、助けてもらうのが理想的です。