U字工事の“神山選手愛”【山田美保子氏コラム】
【山田美保子のミホコは見ていた!】 「神山雄一郎選手(栃木)の会見について」というメールがJKAから届いたのは23日夕方だった。会見日時は翌24日の午後2時で、文書の冒頭にも記されていたように“急なお知らせ”だった。改めて、デイリースポーツ裏一面で「引退へ」なる見出しと“神山アラカルト”を確認し、涙が止まらなかった。 【写真】こらえきれず大粒の涙がポロリ 手でぬぐう神山雄一郎 私の趣味の一つに競輪観戦がある。「競馬じゃなくて?」「他はやらずに競輪1本?」と確認されることが多いのだが、本当に競輪だけが大好きだ。 私が初心者だった頃は“吉岡(稔真さん)・神山”時代の真っ只中で、実は神山選手には一度だけ、「踊る!さんま御殿!!」(日本テレビ系)に出てもらったことがある。会議で名前を挙げたのは構成者の一人である私で、当時はなんとか競輪選手の知名度を上げられないものかと使命感に燃えていた頃でもあった。 神山選手は大先輩の中野浩一さんとのエピソードを話してくれたのだが、遠慮していたのか後から中野さんに叱られるのを恐れていたのか名前を出さなかったせいで、さんまさんから「何を言っていらっしゃるんですか?」と言われて終わってしまったのだ。もっと神山選手と丁寧な打ち合わせをしていれば、さんまさんと中野さんは同い年で面識もあるので、もう少し盛り上がっただろう。神山選手には申し訳ないことをしてしまった。 後に私は「マツコ&有吉かりそめ天国」(テレビ朝日系)で頻繁に地元・栃木の名所を紹介するU字工事のお二人の“神山選手愛”を耳にし、さらに猛省することとなる。 数年前のことなので正確ではないが、U字工事が地元のイベントで観客に向かって出すクイズの鉄板に「栃木のレジェンド・神山雄一郎選手が唯一獲れなかったタイトルは?」というのがあり、観客のオジサマたちの正解率がすごく高いと栃木訛りでまくしたてたのだ。答えはもちろん「KEIRINグランプリ」。 スタジオの有吉弘行は「知らね~よ」と毒づき、マツコ・デラックスは大笑いしていたが、U字工事は宇都宮競輪のイベントゲストに呼ばれたときも必ず神山選手の名前を連呼し、同郷として盛り立て続けていたのだ。私にも“愛”はあったけれど、U字工事には遠く及ばなかったということだ。「~グランプリ」で神山選手の「2着流し」で車券を買った失礼も今度お会いしたら謝りたい。 引退後もレジェンドは輪界を盛り立ててくれるに違いない。神山雄一郎選手、お疲れ様でした。