サムスンの第4四半期営業利益予想、大幅下振れ メモリー事業不調
Hyunjoo Jin Joyce Lee [ソウル 8日 ロイター] - 韓国サムスン電子は8日、第4・四半期の営業利益が前年同期比131%増加するとの見通しを示した。米エヌビディアへの人工知能(AI)用半導体の供給でライバルのSKハイニックスに後れを取り、アナリスト予想を大幅に下回った。 営業利益は6兆5000億ウォン(44億7000万ドル)の見通し。LSEGがまとめたアナリスト予想は7兆7000億ウォンだった。第3・四半期からは29%減となる。 同社は声明で、パソコンや携帯電話に使われる従来型メモリーチップの需要が鈍化する中、研究開発費の拡大や先端チップ製造能力への投資により、メモリーチップ事業の利益が打撃を受けたと説明した。 また、受託チップ製造やロジックチップ設計を含む非メモリーチップ事業の利益が、工場の稼働率低下と研究開発費増加を受けて減少したと述べた。 さらに携帯電話、テレビ、家電製品を含むデバイス事業でも、新型携帯電話の販売効果が薄れたことや競争激化で利益が減少したという。 サムスンは昨年10月、第3・四半期の業績が期待外れだったことについて異例の謝罪を行い、エヌビディアへの高性能メモリー半導体供給で前進していると明かしていた。 サムスンはその後、新たな情報を提供していないが、韓国中央日報によると、エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は6日、サムスンがエヌビディアに広帯域メモリー(HBM)チップを供給するためには「新たな設計を開発する」必要があると語った。 現代自動車証券のアナリスト、グレッグ・ノー氏は、サムスンの利益見通しは予想よりも悪く、一時的な費用や半導体とディスプレー事業のさえない業績によって利益が減少した可能性があると指摘。 「サムスンがHBMチップをエヌビディアに供給するには時間がかかるだろう」と語った。 サムスン株価は序盤の取引で1%下落したが、その後反発している。 BNK投資証券のアナリスト、イ・ミンヒ氏は「第4・四半期の業績が振るわなかったことは分かっていたため、ある程度(株価に)反映されたと言える」と語った。 また「サムスンの主要事業が競争力を失い続ける懸念があるが、半導体需要はすでに底を打ったとみられる」と述べ、中国でのスマートフォン需要は徐々に改善する可能性があるとの見方を示した。 サムスンは1月31日に第4・四半期決算の詳細を発表する。