伸び悩んでいる? レンタル先で苦しんだ逸材Jリーガー6人。来季も茨の道? もがき続ける若者たち
MF:五十嵐太陽(いがらし・たいよう)
生年月日:2003年4月14日 保有元クラブ:川崎フロンターレ 期限付き移籍先クラブ:レノファ山口FC 今季リーグ戦成績:7試合1ゴール0アシスト 新時代のチャンスメーカーはシーズンが進むにつれ、出番を失った。 川崎フロンターレの下部組織で技術を磨いたMF五十嵐太陽は、2021年に同クラブのトップチームに2種登録。翌2022年に正式昇格を果たし、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)・広州FC戦(8-0)でプロデビューしている。 五十嵐はボールを動かすことに長けたチャンスメーカータイプのフォワードである。試合では広い視野と両足を遜色なく使うことができる長所を生かし、決定的なラストパスを出すことも、鋭いシュートでゴールネットを揺らすこともできる。川崎FのU-18では背番号10を身に着けていた。 オールマイティな逸材FWは、昨季からレノファ山口FCに期限付き移籍中だ。昨季はリーグ戦36試合に出場。シーズンを通して安定した出場機会を確保し、飛躍の1年となった。 しかし、移籍2年目となる今季は真逆の状況に置かれている。ベンチ外の試合がほとんどになり、試合に絡めなくなってしまった。第22節・水戸ホーリーホック戦(1-1)の出場を最後に、リーグ戦では出番を与えられていない。最終的に今季は全コンペティション合わせて12試合の出場に留まり、その合計出場時間はわずか363分となっている。 山口への期限付き移籍は『Transfermarkt』上では来年1月末までとなっており、それ以降の去就は不透明だ。川崎Fに復帰するのか、それとも新たな武者修行先を見つけるのか。今季の出場状況を考えると、さらなる期限付き移籍の可能性の方が高いように見える。
MF:松本凪生(まつもと・なぎ)
生年月日:2001年9月4日 保有元クラブ:セレッソ大阪 期限付き移籍先クラブ:モンテディオ山形 今季リーグ戦成績:14試合0ゴール0アシスト 世代別日本代表の常連だったMF松本凪生は期待に応えるパフォーマンスを発揮できずにいる。「ネクスト山口蛍」として注目を浴びていた頃を振り返ると、最近は伸び悩んでいる感じが否めない。 現在23歳の松本は、セレッソ大阪の下部組織で育った。2020年に同クラブでトップチーム昇格を果たすと、翌2021年は栃木SC、2022年から2023年はヴァンフォーレ甲府に期限付き移籍。両クラブでコンスタントに出場機会を確保し、自信をつけた。 しかし、今季から期限付き移籍で加入したモンテディオ山形では厳しい立場に置かれている。 今季は公式戦20試合に出場したが、その合計出場時間は600分あまりとなった。決して少ないプレータイムではないが、昨季(2504分)、一昨季(1652分)と比較すると、その減少具合は凄まじい。 確かな実力はあるものの、ベンチ外の試合も少なくないことから、いまいち渡邉晋監督の信頼を掴みきれていないように見える。レギュラー陣を脅かすほどには至っていないのが現状だ。 山形への武者修行は今季限りとなっている。松本は環境を変えて、浮上のきっかけをつかむことはできるだろうか。
フットボールチャンネル