東京15区補選は〝選挙妨害〟で大混乱! このままだと7月の東京都知事選も大荒れ必至! 解決策は!? これからの日本の選挙のカタチを考えよう!
街頭演説中に大声でヤジを飛ばし、相手候補の演説を聞こえなくする。そんな候補者の行為が"選挙妨害"だと批判を浴びている。これは本当に法律違反なのか? 対策はあるのか? 当事者と専門家に聞いた。 【写真】選挙妨害の様子 * * * ■合法の範囲内でやっているというが...... 〝選挙妨害〟か〝言論の自由か〟。 4月28日に投開票された衆院選東京15区補欠選挙で、政治団体「つばさの党」が他陣営の選挙演説などを妨害していたことが批判されている。 この選挙を取材していた『コロナ時代の選挙漫遊記』『黙殺 報じられない〝無頼系独立候補〟たちの戦い』(共に集英社)などの著書があるフリーライターの畠山理仁氏が、その状況を語る。 「告示前の4月13日、乙武洋匡さんと小池百合子東京都知事が東京・豊洲のホームセンター『スーパービバホーム』前で演説をしていたとき、つばさの党の人たちがやって来て『乙武、15年間で5股不倫。5股不倫を許してくれた奥さんに〈俺のことをちゃんと介護しろ。介護しなかったら訴えるぞ〉と言ったのは本当か?』『小池百合子、大学を卒業していないということを元側近の小島(敏郎)さんが言っているし、元ルームメイトも言っている。しっかり説明しろ!』などと乙武陣営の演説にかぶせるように拡声器でヤジを飛ばしていました。 16日の告示日の夕方も、小池都知事がショッピングモールの『アリオ北砂』で応援演説をするということで、警察が道路に進入できないように規制をしていました。 それでも、つばさの党の選挙カーはすでに入っていて、乙武陣営が演説している隣で『われわれは質問をしているんだ。質問に答えろ』などと話していました。表現の自由、選挙の自由を盾に大音量で迫ったわけです。 このとき、つばさの党の妨害は3回目くらいだったので、乙武さんは無表情。とにかく相手の声が届かないようにするため、間をつくらずに話をしていました。 乙武さんは通常であれば、15分から20分ほど話すのに、このときは4分ほどで話を終えています。持ち味であるトーク力をまったく生かせていませんでした。 そして、小池都知事にバトンタッチすると、都知事はヤジに慣れているので全然気にしない様子でした。聴衆に手を振りながら、相手のマイクの音をかき消すほどの大きな声で演説をしていました。ものすごいメンタルの持ち主です。 ちなみに、つばさの党の拡声器よりも、乙武陣営の車のスピーカーのほうが大音量を出せます。そのため、乙武陣営の演説はなんとなくは聞こえていました」 妨害を受けた張本人である乙武氏は、つばさの党の行為をどう見ていたのか。 「当陣営の街頭演説会場に乱入し、マイクや拡声器で誹謗中傷を繰り返し、演説を阻害する。私への接近を試みる中で当陣営のボランティアスタッフを押し倒してケガをさせる。当陣営の選挙カーに対して、あおり運転のようなつきまとい行為を行なうなどの妨害を受けました。 有権者の皆さまが貴重な一票を託す上で、各候補者がどのような政策で、どのような社会を実現しようとしているのかを聞く機会は非常に重要だと考えます。 そうした有権者の権利と自由を奪う今回の妨害行為は、民主主義の根幹を揺るがす蛮行であり、これは『言論の自由』として許される範囲を大きく逸脱していると感じます」