ジョージア大統領に極右の元サッカー選手、混乱激化は必至
(CNN) 旧ソ連構成国のジョージアの議会で14日、極右与党「ジョージアの夢」のカベラシビリ前議員(53)が大統領に選出された。同国では先月、ロシア寄りの政府が欧州連合(EU)への加盟交渉を中断したことに対し、親欧米派の抗議運動が続いている。 【画像】親欧米派の現職、ズラビシビリ大統領 カベラシビリ氏は元サッカー選手で、イングランド・プレミアリーグの「マンチェスター・シティ」に所属した経歴を持つ。ジョージアサッカー連盟の会長に立候補したが学歴不足で失格となり、2016年に政界入りした。 今回の大統領選は初めて国民全体でなく、議会議員や地方の代表者ら選挙人団の投票で行われた。主要野党4党は10月に実施された議会選の結果を認めず議会をボイコット中で、大統領選はカベラシビリ氏が唯一の候補者だった。 ロイター通信によると、300人の選挙人団のうち投票したのは225人で、カベラシビリ氏が224票を獲得した。同氏は29日に就任する予定。ジョージアの大統領は、ほぼ儀礼的な役割にとどまっている。 カベラシビリ氏は強硬な反欧米姿勢で知られ、国内の親ロシア派と親欧米派との対立はさらに深まることが予想される。 コバヒゼ首相は投票後の会見でカベラシビリ氏に祝意を表明。一方で親欧米派の現職、ズラビシビリ大統領を外国勢力の手先と非難した。 ズラビシビリ氏は野党の抗議デモに加わり、投票を「見せかけの民主主義」と批判した。同氏は投票に先立ち、国内に残された合法的機関は自身だけだと主張。結果にかかわらず職にとどまると表明していた。