2022年10月からの強気市場を逃した投資家が、長期的な成功をつかむためにやるべきこと(海外)
7兆ドルのマネーマーケットファンドを抱えているという投資家たちの多くは、株価が大幅に上昇する中で様子見を続けている。 景気後退やFRBの利上げへの懸念から、この1年間多くの投資家たちは株式の購入を控えていた。 ジャナス・ヘンダーソンのジョン・ロイドによると、投資家が長期的な成功を望むのであれば、ボラティリティを受け入れる必要があるという。 アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が2023年7月27日に最後の利上げを実施してからほぼ1年が経過した。マネー・マーケット・ファンド(MMF:高い格付けの短期金融商品によって運用される投資信託)には過去最高の7兆ドル(約1100兆円)が滞留しているため、かなりの数の投資家がその後の株式市場の上昇に乗り遅れたと言っても過言ではないだろう。 景気後退への懸念やFRBによる史上最速の金融引き締めをめぐる不透明感から、多くの投資家は2022年の弱気相場が再現される可能性を恐れている。 しかし、S&P500種指数(S&P 500)はその後17%上昇し、2022年10月の安値からは54%上昇した。 資産運用会社ジャナス・ヘンダーソン(Janus Henderson)のポートフォリオマネージャー、ジョン・ロイド(Janus Henderson)の最近のメモによると、株式市場の上昇の大部分を逃してしまった場合、今後成功する可能性を高めるためにできることが2つあるという。 ボラティリティ(市場の変動)を受け入れる 投資家として成功するためには、リスク、不確実性、そして株式が一進一退を繰り返す中での痛みを受け入れなければならない。 投資家が犯しやすい最大の過ちの一つは、長期的な計画に固執するのではなく、株式市場の浮き沈みに反射的に反応して投資配分をいじってしまうことだ。 だからこそ、株式市場の上昇に乗り遅れたのであれば、今後は不確実性を受け入れることが重要なのだ。 「未来というのは本質的にわからないものであり、何が起こるかを予測できたとしても、それがいつどのように起こるかはわからない。だからこそ、来年は良い年になるかもしれないし、悪い年になるかもしれないし、その中間の年になるかもしれないという現実と折り合いをつける必要がある」とロイドは話す。 さらに言えば、様子見で現金を持っていることは、投資家心理に信じられないほどの負担をかけ、将来的にはより多くの問題を引き起こす可能性がある。 「傍観しているだけだと、投資家は良いニュースにいら立ち、市場が下落するような悪いニュースを望むかもしれない。これはまるで自分たちが正しいことを証明するために大干ばつを期待して作付けをしないと決めた農民のようだ。この逆さまのインセンティブは、投資家のメンタルに非常に負担になる可能性があり、市場が動くたびに自分たちのポジションについて苦悩することになる」 だから、もしあなたがまだ現金に手をつけず、投資もせず、次の株式市場の下落時にお金を動かしたいと思っているのなら、ロイドは、「将来の不確実性を受け入れる」ように考え方を変えることを勧めている。 「金融の専門家と自分の財務目標を見直し、長期的な目標に合わせて目標資産配分を再調整すれば、行動を起こせるだろう」とロイドは話している。 暴騰していない資産を買う S&P500種指数がこの1年で急上昇したからといって、まだ掘り出し物がないわけではない。 ロイドはアメリカのコア債券を、依然として弱気相場に苦しんでおり、金利上昇のためにまだ回復していない資産クラスであると強調した。
Matthew Fox