家族を支えてくれた父の背中を追いかけて 500勝レーサー北津留翼の愛娘がデビューへ向けて養成所で猛特訓
『競輪選手になるために、そして夢を叶えるために』今年は第127回生として男子72名、第128回生として女子21名の候補生たちが日本競輪選手養成所に入所し、2025年のプロデビューを目指している。この時期、“未来の競輪スター候補”と題して毎年お届けしている本シリーズだが、今年は7名の注目候補生へインタビューを実施した。今回は128期北津留千羽(きたつる・ちはね)候補生を紹介する。(取材・netkeirin編集部) 2023年全日本選手権(ジュニア)でマウンテンバイク日本チャンピオンに輝いた北津留候補生の父は先日500勝を達成した人気競輪選手・北津留翼。そんな北津留候補生の素顔に迫った。 ■ーーnetkeirinはご存知ですか? はい。時々見ています。父の記事を読んで「競輪選手っていいなぁ」って思っていました。 ■ーー家族構成、名前の由来を教えてください。 3人兄弟で私が長女で、弟が2人いて、全員「羽」という名前がついています。私の「ちはね」という名前は、母の名前と父の名前翼を混ぜ合わせた名前で、とても気に入っています。 ■ーー好きな食べ物は? ハニートーストです。食パンを分厚く切って、焼いて、その上からハチミツをたっぷりかけます。すごく美味しいです。在所中は食べられないので、卒業したらたくさん食べたいですね。 ■ーー推しはいますか? オランダのマチュー・ファン・デル・プール(Mathieu van der Poel)です。ツール・ド・フランスなどで活躍している自転車競技の選手なんですけど、圧倒的に強くて、なにより顔がかっこいい(笑)。才能に恵まれている選手なので、いつか走っているところを観に行きたいですね。 ■ーー競輪選手を目指した理由を教えてください。 ファンの方々に応援されたり、バンクを駆け抜ける父の姿を見て、 “私もこんな走りをしてみたい”と思ったのがきっかけです。高校2年生の時に、父に“競輪選手になりたい”と進路の相談をしました。怪我が大丈夫なのか、今までマウンテンバイクしか乗ってこなかったのに急にピストに乗って大丈夫なのかと、最初はすごく心配されたのですが、最終的には全力で送り出してくれました。 ■ーー師匠もお父様ですか? お父様から何かアドバイスをもらいましたか? はい。師匠は父です。入所式も会えなくて、ずっと声も聞けていないのですが、後日、父から手紙が届きました。タイムトライアルのアドバイスが書かれていて、すごく嬉しかったです。 ■ーーでは北津留候補生が最も尊敬するのはオランダの…? いえ、日本の父です(笑)。競輪とマウンテンバイクを両立することはすごく難しいと言われているのですが、難なく二刀流でこなしているところとか、なんと言っても競輪で私たち家族を支えてきてくれたところですね。感謝しています。 ■ーー北津留候補生にとって競輪とはなんでしょうか? 自分の努力次第で高い賞金がもらえたり、夢がある職業だなっていうのを感じます。 ■ーーその夢のある職業に就いたらどんな選手になりたいですか? オールガールズとかグランプリとか大きな大会に出られるような選手になりたいです。強い選手になって活躍してその賞金で自分のマウンテンバイクを買います。 ■ーー憧れの選手はいますか? 太田りゆ選手です。五輪目指してひたむきに目標に向かって努力されているところも素敵ですし、あと美容にも気をつかってらっしゃって、女性として華やかさがあるなぁ…って。 ■ーーデビューしたら同じ開催になるかもしれません。 直接お話してみたいです。どんな練習をしているのか、あとは美容のことも。 第一回記録会200mFDでは12.12で酒井亜樹候補生に次ぐ2位の好タイムを記録した。マウンテンバイクとはまた違った難しさがあるそうだが、ピストも難なくこなしてしまうところは父の遺伝子のなせる業かもしれない。“才能&愛されDNA”を受け継いだ千羽のデビューが待ち遠しい。