巨人新助っ人ヘルナンデス まるでマギー!マートン!来日初フリーで安打製造機の片りん披露…「憧れ」は故郷の英雄
巨人の新外国人、エリエ・ヘルナンデス外野手(29)が入団会見から一夜明けた14日、G球場で練習し、室内練習場で来日後初のフリー打撃を行った。昨季3Aで最多安打を記録した片りんを披露。自身は同じドミニカ共和国出身のネルソン・クルーズやマニー・ラミレスを理想の選手に掲げ、打撃練習をチェックした古城3軍打撃コーチは「マートンタイプかな」と元阪神のヒットメーカーの名前を挙げた。 ヘルナンデスの心地良い打球音が、何度も室内練習場に響き渡った。来日後、初めてのフリー打撃。鋭いライナー性の打球を、主に中堅から左へ飛ばし続けた。「(昨晩は)2、3回、目が覚めましたけど、寝られました。昨日は逆方向を、今日は引っ張りを意識してやっていました」。時差ボケが残る中、明確なテーマを持って精力的にバットを振った。 入団会見を行った前日(13日)は、スタンドにボールを置いたティー打撃などで汗を流した。2日連続の練習では、広角に打ち分けられる能力の一端を示した。「自分自身では中距離打者と分析しています。選球眼も強みの一つなので、とにかく塁に出ること、これを目標に今シーズンやっていきたい」と意気込みを示した。ウィーラー巡回打撃コーチの助言にも耳を傾け、研究熱心な姿勢も見せた。 打撃練習を見守った古城3軍打撃コーチは「マートンタイプかな」と、自身の現役時代に阪神で活躍した最多安打3度の右打者の名前を挙げた。「初日だからまだ分からない部分はあるけど、飛ばすというよりはアベレージタイプなのかなと。コンタクトして捉えるのがすごくうまい」。チームにとって貴重な右打者。スラッガーではないが、昨季3Aで最多安打&最多二塁打を記録した確実性を持つ打撃には期待がかかる。 ヘルナンデスにとって、理想の打者はメジャーで活躍した同じドミニカ共和国出身のネルソン・クルーズとマニー・ラミレス。「小さい頃から憧れていた」と同じ右打者を目標に励んできた。クルーズとは数年前にウィンター・リーグでともにプレーした経験もあり、「精神的な強さに本当に感銘を受けた。自分も感情の起伏を少なくプレーを続けたい」と、学んだプロとしての在り方も胸に巨人に貢献する思いだ。 阿部監督は13日に「まずは環境に慣れることをしてほしい」と話していたように、焦らせない方針を示している。球団SNSでは、自身の愛称について「エリーでもいいですけど、できればエリでお願いします」と呼びかけていたヘルナンデス。マートンのようなヒットメーカーになれば、G党にとって「いとしのエリ」になるかもしれない。(田中 哲) ◆髙橋尚成Point ヘルナンデスのマイナー時代の映像も見たけど、打者として、タイプ的には楽天や巨人でプレーしたマギーかな。バンバン長打を打つタイプではなく、ヒットメーカー。もちろんチャンスが来たらホームランも打てるスタイル。守備もこなせるし、足も速いね。マイナーでの成績は抜群(23年は3Aで打率2割9分8厘、18本塁打、99打点)。日本の投手にどう対応していくかが見どころで、チームに化学反応を起こしてほしい。(野球評論家・髙橋 尚成) ◆エリエ・ヘルナンデス(Elier Hernandez)1994年11月21日、ドミニカ共和国出身。29歳。2011年にロイヤルズと契約。12年からマイナーでプレー。22年にレンジャーズでメジャーデビュー。メジャー通算14試合、打率1割8分2厘、0本塁打、3打点。昨年は3Aでリーグ最多安打の165安打。外野はどこでも守れる。185センチ、89キロ。右投右打。 ◆マット・マートン 10~15年に阪神でプレー。1年目から右打者かつセ・リーグ歴代最多214安打で最多安打を獲得すると、11、13年も同タイトルを獲得。14年は打率3割3分8厘で首位打者。日本では6年間で832試合に出場し1020安打を放つなど打率3割1分、77本塁打、417打点。 ◆ケーシー・マギー 13年に楽天、17、18年に巨人でプレー。13年は主に5番で全試合に出場し打率2割9分2厘、リーグ2位の28本塁打、93打点で球団初のリーグVと日本一に貢献。17年はいずれもチームトップの打率3割1分5厘、18本塁打、77打点を記録し、同年の48二塁打はセ・リーグでシーズン歴代最多記録。 ◆マニー・ラミレス Rソックスなどで通算555本塁打、1831打点、打率3割1分2厘をマークした強打の右打者。17年には四国IL・高知でもプレーした。ドレッドヘアと大きめのユニホームが代名詞。自由奔放な言動やドーピング違反などお騒がせ男でもあった。 ◆ネルソン・クルーズ 昨季までメジャーでプレーし、通算464本塁打を放った右のスラッガー。レンジャーズやマリナーズでプレー。初の2ケタ本塁打は29歳シーズンと遅咲きで、30代で本塁打を量産。13年WBCではドミニカ共和国の初優勝に貢献した。
報知新聞社