布芝居上演しながら全道一周4カ月 ユウタさん本州へ
自作の布芝居を積んだリヤカーを自転車で引いて日本一周を続けている旅人のYuuTa(ユウタ)さん(31)が道内一周を終えた。各地で地域住民らと触れ合いながらペダルをこぎ続け、17日に函館に到着し、23日に本州へと旅立つ。ユウタさんは「道内で出会った人たちには本当に『ありがとう』の言葉しかない。これからも進み続けますよ」と笑顔を見せている。
自転車での日本一周やバックパッカーとして世界各地を旅した経験を持つ。4月28日に自宅のある埼玉県を出発し、6月25日に函館入り。渡島西部方向から時計回りに道内旅をスタートし、上川管内など一部内陸を進んだ以外はほぼ沿岸部を巡った。リヤカーにはロール状の布に描いた自作の物語「きみにあいに」を回転させながらを読み進める装置を載せ、大きな水色の箱が目に留まりやすく、行く先々で多くの人との触れ合いにつながった。 移動日は30~40キロを進み、一日に70キロ以上を走破した日もある。旭川市の自転車店で親身になって修理に対応してもらったことや、各地の祭りに参加したり、幼稚園などでの布芝居上演も続けた。大雨や強風、アブに囲まれた経験など難所も多く、オホーツク管内斜里町と根室管内羅臼町を結ぶ知床峠は横断に7時間かかったといい、「登り切ったと思ってもまだ登り坂が続いて。(羅臼の温泉)熊の湯は最高でした」と振り返る。 当初、道内は2カ月程度を見込んだが滞在が約4カ月に及んだ。インスタグラム(@yuuta_peter_numazawa)で写真や動画を公開し、手帳には毎日旅の思い出を書き続けた。「びっくりするくらい、いろんな人に支えられ、いい感じに時間が過ぎてしまった。もう1周して会いに行きたいくらい」と感謝している。 11月上旬に青森から旅を再開し、年内には東北の縦断を終えて、年明け以降も沖縄までを目指す旅を続ける。
函館新聞デジタル