日本オープン開幕を前に、囲み取材に応じた石川遼（撮影・阿部慎）

男子ゴルフの国内メジャー第3戦「日本オープン」は10日から4日間、埼玉・東京GC（7251ヤード、パー70）で行われる。9日は公式練習日で、14度目の出場となる石川遼（33）＝CASIO＝が最終調整した。開催地の埼玉出身で、前回このコースで行われた2001年大会（当時10歳）は生観戦。プロとして帰ってきた大舞台で、初の日本一を目指す。 思い出の地で初の日本一に突き進む。石川は23年前に訪れた東京GCで調整。鮮明に記憶がよみがえり、声を弾ませた。 「これだけはっきり覚えているんだなと、感慨深い。それだけ自分にとって刺激的な時間で、衝撃的な経験だった」 2001年大会を10歳のときに観戦。父・勝美さんに肩車されて見つめたのは尾崎将司だった。スタート前に子供たちが最前列で観戦する中、「僕がジャンボさんの目の前に出てしまって、そこでかぶっていた帽子をジャンボさんが取ってくれて、無言でサインを書いてくれた」と笑顔で明かした。尾崎は21位、優勝は手嶋多一だった大会から23年たった今も大切に保管してある宝物だ。 プロとして帰ってきた東京GCで、警戒したのは150～200ミリにセッティングされたラフ。「自分が経験した中では1、2位を争うくらいの深いラフ。全米オープンに匹敵する」と語り、フェアウエーキープが必須となる。高いマネジメント力がこれまで以上に問われる舞台に、「今までにはない日本オープンになるかもしれない」と展望した。昨年は2位で涙を流した大会。今年こそ主役の座を奪う。（阿部慎） 東京ゴルフ倶楽部　日本初の日本人の手によるゴルフ倶楽部。コース設計は大谷光明氏。1913（大正2）年に東京・駒沢に創立され、埼玉・朝霞市を経て40年に現在の狭山市に移った。武蔵野の丘陵地に成り立つ、なだらかな林間コース。日本オープン開催は今回で8度目。埼玉県狭山市柏原1984。