徳島の阿波おどり、薄い経済効果 ホテル不足が原因、日帰り客多く
徳島市の阿波おどりは期間中に例年100万人以上の見物客が訪れる。だがホテル不足が原因で日帰り客が多く、経済効果はいまひとつだ。宿泊施設を増やそうにも、阿波おどり以外に集客を見込める行事が乏しく、稼働率を高く保つのは難しい。徳島県は新たなイベントの創出に取り組む。 徳島保健所によると、今月5日時点で徳島市内のホテル・旅館の客室数は3979室。「ホテルグランドパレス」の岡本真一郎社長(55)は「市に泊まるのは、ほとんどが出張で訪れるビジネス客だ」と話す。県内でホテルを新設する動きは活発ではないという。 徳島県阿南市にはLED大手、日亜化学工業の本社がある。ビジネス需要を当て込み、ホテルチェーンの「ルートイングループ」(東京)が2017年、「スーパーホテル」(大阪市)が19年にそれぞれ阿南市に進出。ただ県全体でみると例外的な動きだ。 厚生労働省によると、22年度の徳島県のホテル・旅館の客室数は都道府県別で46位。観光庁の集計では、23年の県内の延べ宿泊者数も46位で約233万8千人だった。