サバンナ八木&レイザーラモンHGが出版した『未確認生物図鑑』が全男子の夢すぎる!
――HGさんから見て八木さんはどんな芸人ですか? HG 大阪時代から30年近くお世話になってますけど、八木さんは怖いぐらい"芸人"。営業では手を替え品を替え90分ひとりでやり切るし、その一方でギャグもあるからショートネタにも対応できる。どの芸人よりも振り幅があると思います。 八木 今テレビのレギュラーがゼロですから、幅が大事なんです。その分、営業が多くなって年間3分の1はビジネスホテルに泊まってます。全国の宿泊費の相場にめっちゃ詳しくなりましたよ。ただ、相方が10本ぐらいレギュラーあるのを考えたら、もはや面白くなってきますよ(笑)。 HG そらそうですよ、辞めてもおかしくない。八木さんぐらいの芸歴になると営業を断る人もいるんです。でも、八木さんはそういう愚痴を一切言わない。解散する中堅芸人も多い中で、サバンナのおふたりはずっと仲がいいですし、月1回の舞台出番もあって、それぞれピンでも活動されている。僕からすると八木さんは理想なんです。 ――お話を聞いていると、八木さんってピュアさとたくましさの両面を持っていますよね。 HG でも、普段の八木さんはゴシップとかお金事情とかがめっちゃ好きです(笑)。 八木 あと、お笑い界の組織図にも興味があって。5年前と今って図式が全然違うから、「じゃあ今から5年後に誰が生き残ってんねやろ?」って想像するとワクワクするんですよ。そんな僕からするとHGは生き残る才能がエグい。 「ハッスル」(2000年代に一世を風靡[ふうび]した既成のプロレスとは一線を画す格闘イベント)の全盛期、大阪府立体育館に(なかやま)きんに君とふたりでHGを見に行ったんです。メインで登場する姿を見て、マジで鳥肌立ちました。スーパースターってこういうことやなって。 HG 学生プロレスのバックボーンがあったし、HGのキャラクターもちょうどハマったんですよ。ホンマにレスラーになりたい時期もあったから、リングに立ててめちゃくちゃうれしかったですね。 八木 それを見たきんに君が「こんなことしてる場合じゃない!」ってアメリカ留学の決意を固めたんです(笑)。でも、それぐらいエグかった。プロレスも一線級だし、絵もうまい。すごいですよ。 HG コロナ禍に入ってから、iPadで漫画やイラストを描いてたんです。その経験もあっての今回の図鑑だから、コツコツ積み重ねてきたものを披露できて良かったなと思います。 八木 近くで見ていてビビりました。「針角ネズミ」(針のように鋭いツノを持つ生物)の造形美とかエグないですか? HG ほら、これも光ってますやん(笑)。僕の腕じゃなくて、それ用のツールで線引けばこうなるんですよ。 八木 でも、俺からしたらすごい。カッコいいでしょ、これ。 ■八木真澄(サバンナ)(左) 1974年生まれ、京都府出身。1994年に高橋茂雄とサバンナを結成。1997年にABCお笑い新人グランプリ優秀新人賞受賞。一発ギャグのレパートリーは1000以上 ■レイザーラモンHG(右) 1975年生まれ、兵庫県出身。1997年にレイザーラモンを結成。2005年に一発ギャグ「フォーー!」が大流行。新語・流行語大賞のトップ10に入る。『プレバト!!』(TBS系)内「春の水彩画コンクール2022」で優勝 ●『未確認生物図鑑』ヨシモトブックス 2000円(税込) サバンナ・八木真澄が何げなくインスタグラムのストーリーズに投稿し始めた未知の生物のラフスケッチをもとに、レイザーラモンHGがカラフルでハイクオリティなイラストに描き上げていった図鑑。100体の生物のイラストと、その生物の説明をオールカラーで掲載している。注目は各生物のレア度。シンプルな見た目に反してレア度が高いものがいたり、強そうなのにレア度が低いものがいたり。でもどこか納得してしまう不思議さがある 取材・文/鈴木 旭 撮影/渡辺凌介