3月12日は「だがしの日」メーカーが独自文化でハッピーな気持ちにと制定
3月12日は「だがしの日」メーカーが独自文化でハッピーな気持ちにと制定
3月12日は「だがしの日」。日本独自の駄菓子文化に注目し、駄菓子を贈り合ってみんな笑顔になり、世界を平和でハッピーにしようと制定された。小さな駄菓子が大きなパワーを秘めているという。 【拡大写真と動画】パロディ菓子の発想は大阪の立ち飲み店で? オリオン「駄菓子」への思い
駄菓子は共存して育ててきた日本独自の文化
だがしの日は全国の駄菓子メーカーなどが結成した「DAGASHIで世界を笑顔にする会」(秋山秀行会長、会員121社)が提唱。日本記念日協会の認定を得て制定され、今年で2年目の記念日を迎える。和歌山県・橘本(きつもと)神社に祭られ、お菓子の神様とされる田道間守(たじまもり)の命日にちなみ、3月12日がだがしの日に選ばれた。 駄菓子作りは名古屋と大阪が盛ん。「ココアシガレット」などのパロディ駄菓子で知られるオリオン(大阪市淀川区)の常務取締役企画本部長で、笑顔にする会の副会長を務める高岡五郎さんは、だがしの日に託した思いを次のように話す。 「駄菓子文化は、小さな駄菓子メーカーやまちの駄菓子屋が、仲良く共存しながら育ててきた日本独自の文化。駄菓子を贈り合うことで笑顔を交換できる。国内だけのイベントに終わらせず、世界中を笑顔で平和にしたい」 駄菓子と笑顔で世界を平和にとは、夢のスケールが大きい。小さな駄菓子が、思わぬパワーを秘めているのは、なぜか。 「駄菓子の魅力は安さとバリエーション。幼いころの遠足を思い出してください。限られたお小遣いの範囲内で、高級菓子をひとつ購入してしまうと、もうほとんど何も買えない。駄菓子は安くて種類も豊富なので、あれもこれもと買いそろえても予算内におさえることができる。駄菓子の値段を懸命に計算するうちに暗算の勉強にもなります」(高岡さん) 膨大な駄菓子に囲まれ、迷いながら選ぶ楽しさ。買いそろえた駄菓子を手元に置き、遠足を心待ちにする至福感。おいしいばかりではない。駄菓子があれば、みんな幸せになれそうだ。
商店街の空き店舗で駄菓子屋復活へ期待
3月12日、大阪成蹊大学(大阪市東淀川区)で、だがしの日の記念イベントが開催される。笑顔にする会の主催で、同大学が協力。リーダーシップ養成研修の一環として、昨秋から10人あまりの学生がプロジェクトに参加。。イベントを立案して開催準備を進めてきた。 地域貢献の観点から大学のある東淀川区の子どもたち限定で500人を無料招待。玉入れなどのゲームに挑戦したのち、ごほうびの駄菓子で盛り上がる内容だ。学生たちを指導してきた担当教員は「チームワークを発揮して行動できるように成長した」と評価し、「当日もイベント関係者などと情報交換しながら、成功させてほしい」と、期待をにじませる。駄菓子には地域を活性化させたり、人を育てる力があるようだ。 「駄菓子屋の特色は対面販売。子どもたちが自然と集まってきて、まちに活気が出てくる。商店街の空き店舗などを活用して、起業家が駄菓子屋を復活させてくれたらうれしい。クリーニング店などの既存店舗のワンコーナーで、駄菓子のミニショップを開設するだけでも、子どもたちが喜んでくれるのではないか」(高岡さん) 日本独自の駄菓子文化。児童文化、人材育成、共生型地域経済など、いろんな角度から可能性を再検証してみるのもいいのではないか。詳しくはオリオンの公式サイトで。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)