「政府は主体的に行動を」国連特別報告者がPFAS問題で講演
米軍基地周辺から高濃度で検出されているPFASの問題について考える、県主催のシンポジウムが開かれ、国連の特別報告者が玉城知事らと意見を交わしました。 【写真を見る】「政府は主体的に行動を」国連特別報告者がPFAS問題で講演 シンポジウムはPFASの問題解決に向けて県が主催したもので、有害物質や廃棄物に関する調査・報告を行っている国連特別報告者のマルコス・オレリャーナ氏が基調講演し、世界的にPFASが規制や廃絶の対象となっていることや汚染物質の浄化について義務化が進んでいることを報告しました。 パネルディスカッションでは、日本国内の規制の現状や海外での先進事例をもとに専門家らが意見を交わし、玉城知事は「水質汚染は命や人権の問題。解決にむけて取り組むのは政治の責任」と訴えました。 ▽マルコス・オレリャーナ氏 「政府は傍観者ではなく、既知の有害物質への曝露から人々を守るための行動をおこす上で、主体的に動かないといけない」 また映像作家の平良いずみさんは、ドイツに駐留する米軍が、基地内のPFAS汚染の調査や処理に取り組んでいる事例を挙げ、沖縄では日米地位協定が壁となって基地内の調査が実施できないと指摘しました。シンポジウム後の会見でオレリャーナ氏は3日間の沖縄視察で県や市民団体などから提供された情報について次のように述べました。 ▽マルコス・オレリャーナ氏 「提示されたもののすべてが、米軍施設とPFASの因果関係を明らかにしているものだった」 オレリャーナ氏は「不安に思う住民の証言が多いことに懸念を抱いた。事実や提示された科学的根拠を慎重に吟味して、今後、日米両政府の見解を聞きたい」との考えを示しました。
琉球放送