地質年代の探求I:聖書より岩石―常識打破で科学者が埋めた生物40億年進化史
地質年代の概要について
さて未だに未完成といえるこの地質年代表。基本的には英語(及びアルファベット)で、もともと命名され表記されてきた。しかし21世紀の今日、各国の言語でも表記される必要性が当然ある。日本語のものは、日本地質学会によってまとめられている。参考までにここにリンク を載せておく(「地質系統・年代の日本語記述ガイドライン 2017年2月改訂版」:)。 日本語表記における注意事項は、いろいろな制約や決まりもある。興味のある方はこちらのページを参照してもらいたい()。ちなみに私の連載における記事も、こちらの年代表記を参照している。 さて古生代やジュラ紀、更新世など、より細かな年代の定義や、命名の行われたいきさつは、また追って順々にいずれ紹介してみたい。ここでは、とりあえず入門編として大まかな年代表の概要を述べておく。(先に紹介したGSAのものをここでは便宜上、とりあえず使わせていただく:)。
まず左から右に四つの列が並んでいるのがわかる。左に行くほど年代が最近(新しい)ものだ。そして上下の関係を比べると、上のものほど新しい時代だ。つまりこの表の一番左上が「現在」にあたり、一番右下が「46億年前の地球の誕生」にあたる。 一番左の列は哺乳類や鳥類の繁栄している新生代(Cenozoic Era)だ。二番目の列が恐竜など栄えた中生代。古生代(Paleozoic Era)は左から三番目の列で、はじまりは5億4100万年前と表記されている。 一番右側に先カンブリア代(Precambrian Eon)が載っている。46億年前から5億4100万年前 ── 実は40億年以上の長い期間に渡る。表のイメージだけを見ているとこの先カンブリア代は短い時代と映るかもしれないが、これは錯覚だ。新生代―中生代―古生代の全てを含めてもわずか6億年弱にしかならない。この三つの代を含む時代区分は「顕生代(Phanerozoic Eon)」と呼ばれ、一般に多細胞生物としての動物が登場し繁栄を遂げてきたパターンにより、名づけられた。 こうした、ややいびつに見える年代表の仕組みと実際の長さの関係。これはただ、岩石と化石記録におけるデータにもとづく。そして一般に、より古い時代になるほど、手に入れられるデータは限られてくる傾向がある。反対により新しいものほど、たくさんのデータが手に入り、より細分化された時代区分も必要となる。例えば新生代でもより最近(表の右上の部分)と、地球の歴史がはじまった直前(先カンブリア代前期:表の右下)では、年代の数値が大きく違う点を、是非覚えておいていただきたい。