「観光」から「産業」へ再生 ミヤクリ販売開始 小矢部・宮島栗園跡地 整備進み収穫
2022年に廃止された観光クリ園「宮島観光栗園」(小矢部市)の跡地に残る木から収穫したクリの販売が県内で始まった。富山市の電気工事会社「ケィ・ディック電工事業部」が昨年4月から「産業クリ園」への転換を目指し、整備を進めてきた。「ミヤクリ」の商品名で販路を広げ、6次産業化を目指す。 宮島観光栗園は稲葉山の中腹にあり、地元住民らによる原牧栗生産組合が1980(昭和55)年に運営を始めた。県内外から大勢の家族連れがクリ拾いに訪れていたが、長年にわたるイノシシの食害や大雪、猛暑による減産、組合員の高齢化などを理由に廃止となり、閉園を知ったケィ・ディック電工事業部の黒田勝之社長(52)が組合に再生を申し出ていた。 約5ヘクタールの敷地に残されていた12品種約900本のクリの木は枯死や枝折れが目立ったため、同社は害虫に強い品種の苗木約350本を植え、整地や草刈りを進めてきた。冬場に木の高さを低くして枝を落とし、肥料も十分に与えて、約650本から商品として出荷可能な大きさのクリが収獲できる状態にこぎ着けた。 ●1200円、3カ所で ミヤクリは、大小30~35粒、750グラム1袋1200円(税込み)で、今月から小矢部市の道の駅メルヘンおやべ、砺波市の道の駅砺波、富山市の地場もんや総本店の3カ所で販売を始めた。 黒田社長は「知名度と収量を上げ、多くの人に小矢部のクリを味わってもらいたい」と話した。