栄養士として活躍している友人。「国家資格だけどあまり稼げない」というのですが、一般的にはどのくらいの年収なのでしょうか?
「栄養士」は国家資格であり、誰でも簡単に取得できるとは限らないため、栄養士として働いている人の年収は高いというイメージがあるかもしれません。 しかし今回のケースのように、国家資格取得者でも満足いく年収を稼げていないと感じる人もいるようです。 本記事では、栄養士の平均年収やキャリアパスをご紹介します。また栄養士と管理栄養士の違いについても解説します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
栄養士の国家資格は2種類ある
栄養士は国家資格であり、おもに「管理栄養士」と「栄養士」の2種類に区分されます。管理栄養士は厚生労働大臣から、栄養士は都道府県知事から免許を得ます。両者のおもな役割は以下の通りです。 ・管理栄養士 病気や高齢ゆえに食事に関してケアが必要な人や健康な人を対象に、専門的な知識と技術を用いて一人ひとりに合わせた栄養指導や栄養管理を行います。 ・栄養士 基本的に健康な人を対象に栄養指導や給食管理などを行います。 栄養士は、厚生労働大臣が指定した栄養士養成施設を卒業して都道府県知事に申請することで免許を取得できます。管理栄養士は、管理栄養士養成施設で学習したのちに国家試験に合格する必要があります。栄養士が管理栄養士を目指す場合は、必要な年数栄養士として働いたあとに国家試験に合格することで免許取得が可能です。
栄養士の年収は平均390万1700円
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、栄養士の年収は全国平均で390万1700円です。 国税庁長官官房企画課の「民間給与実態統計調査」によると、令和5年分の平均給与は459万5000円でした。栄養士の年収と比較すると、約69万円もの開きがあります。 今回のケースでは、栄養士の国家資格を持っている友人が「あまり稼げない」と発言していますが、もし上記の年収に近い額しか稼いでいないのであれば、一理あるといえるかもしれません。 ただし男女比を検討すると、多少異なる結論が出ます。一般的に管理栄養士・栄養士の男女比は、女性が多いといわれます。 仮に、女性労働者の平均給与と比較するとどうなるか見てみましょう。前述の「民間給与実態統計調査」によると、令和5年分における女性の平均給与は315万8000円です。この額と比較すると、栄養士の平均給与390万1700円は平均を上回っているといえます。