日本人が「長期で老後の資産形成」を狙うなら何を買うべきか…投資のプロが「これをパクればOK」という買い方
老後の資産形成を図るには、どんな投資をすればいいのか。ジャーナリストの後藤達也さんの著書『教養としての日本経済 新時代のお金のルール』(徳間書店)より、インベストメントLab代表の宇根尚秀さんとの対談をお届けしよう――。 【画像】後藤達也さん ■「どうして儲かるのか」が理解できる投資手法 【後藤】新NISAが始まって、今までよりも投資が広がる気配がしています。普通の人には宇根さんのように会社を一つ一つ吟味して、分散して投資することは難しいですし、そもそもそこまで時間もかけられないと思います。投資を手軽に始めるならどういう風にすればいいのでしょうか。 【宇根】「長期・グローバル・分散・パッシブ・積立投資」から始めるのがいいと思います。投資にはいろんな手法があります。その中でこの投資手法は勝率が非常に高い投資手法だと思っています。 投資手法の判断の良し悪しは、その投資手法を採用した時のトラックレコードと、収益の源泉の理解、すなわち「それがどうして儲かるのか、収益の源泉は何なのか」ということが理解できるか、の2つで判断できます。その両方においてこの手法は非常に好成績です。 ■世界経済の成長を予測するなら「全部買い」がオススメ もちろん、必ず儲かるとも言えないのですが、少なくとも過去50年間の期間でどの20年間を選んでも儲からなかった時がなかった、という事実があります。また「長期・グローバル・分散・パッシブ・積立投資」は、世界中の金融商品の大多数を全部買いしてしまおう、という手法です。 金融商品(株式や債券)を買う、という行為は、当該企業の業績や国の税収に依拠した収益の分配権を得るということなんですが、その「金融商品を全部買いする」、というのはすなわち世界経済全体の成長にベットしていることに他なりません。 投資家としては、人口増加と技術革新の足し算として考えられる世界経済の成長が、今まで起きたのと同様に今後も起きていくであろう、という考え方が腹落ちするか否か、ということになります。短期的には世界経済は浮き沈みしますが、長期的には成長していくだろうと信じられそうであれば、「長期・グローバル・分散・パッシブ・積立投資」は正当化されるのではないでしょうか。