虎のソナタ 「競馬の神様が近づいてきた」 時差ボケ…?凱旋門賞後不調も増本記者「もう大丈夫」
滋賀で生まれ育ったトラ番・須藤佳裕は、寒風吹きつける琵琶湖畔にいた。村上&坂本という猛虎が誇るバッテリーの取材。故郷への凱旋の気分を尋ねたら-。 「僕は湖南地区の出身です。湖西地区は近江舞子の遊泳場に、子供の頃にバーベキューで訪れたぐらいで。あまり縁のない場所ですねぇ。おごと温泉も初めて来ました」 何ともそっけなかった。余談だが、京都市内の子供が泳ぎに行くのは、海ではなく琵琶湖だ。湖西地区はなじみの遊び場所。滋賀県内の地域間に微妙な関係があるのを初めて知った。 馬券を買うのは「1年間で有馬記念だけ」と決めているという須藤。その瞬間が近づいている。 「サンスポの1週間の有馬の記事を熟読し、枠順を最重視して、さらに世相馬券も加えて、いい年の瀬にしたいと思っています」 そんな〝ネンイチ君〟は1年前の競馬が絡んだ取材を思い出していた。 「阪神競馬場でイベントがあって、その時も坂本選手が出演。前週のジャパンカップを外していた藤浪晋太郎投手を盛大にイジっていました。競馬にはかなり詳しかったので、今回も取材の最後に有馬の話を振ってみたんです。案の定、『もうそのことしか…』と笑っていました」 シーズン中は相手打者の読みを外すのがお仕事の捕手が、1年の最後は「自分の読み」を的中させるのに全集中というわけだ。 捕手・坂本や記者・須藤が頼りにする情報を提供するのがレース部の中央競馬担当の記者たち。サンスポが誇る精鋭・増本隆一朗は栗東トレセンを駆け回っていた。 「昨年は混戦の有馬でしたが、ことしはドウデュースという大本命がいるので、各陣営の雰囲気が違います。どこへ行っても『ドウデュースの所へ行かなくてもいいのか?』と言われて…。みんながその動向を気にしていましたね」 競馬担当としては4度目の有馬となる。すっかり余裕も出てきた。週末に向けて、果たして、どんな「答え」を導き出すのか? グランプリは競馬界の集大成。増本記者にも2024年を振り返ってもらった。