ジャニーズ新サービスに賛否 「こっちに降りてこないで」と思うファン心理とは
三ヶ月前の2022年1月22日、ジャニーズのタレントとファンがオンラインで直接交流できる、音声コミュニケーションサービス「Johnny’s Family Voice」の試験的な開設が告知されました。しかし、いまだに具体的な運用開始時期などは発表されていません。また、新サービスに対してファンからは否定的な声も多く上がっています。「そこまでこっちに降りてこなくていい」――実はこのファン心理こそ、ジャニーズが長年かけて培ってきたブランディングの成果ではないかと、『ジャニーズは努力が9割』の著者・霜田明寛氏は語ります。近年転機を迎えつつあるジャニーズのインターネット戦略とその歴史について、詳しくお話を聞きました。(Yahoo!ニュース Voice)
新サービス「Johnny’sFamily Voice」試験運用前に賛否
霜田明寛: 「Johnny’s Family Voice」は、タレントとファンの声をオンラインでつなぐ“音声コミュニケーションサービス”です。タレントがリアルタイムに語り、トーク中に挙手したファンを指名することで、両者が直接オンライン上で会話できるチャンスがあります。アメリカ発の音声SNS「Clubhouse」や、韓国の「ヨントン(アイドルとオンラインで交流できるサービス)」などが、イメージとしては近いのではないでしょうか。2022年1月22日にTOKIOのファンクラブ会員限定メールマガジンの中で告知され、正式運用前のテストとしてTOKIOの城島茂さんのトークルームを開設する予定であると発表されました。しかし、現時点で具体的な日付などは定まっていない状況です。 ライブやイベントなどで、直接タレントと接触できる場所が少なくなっているファンにとっては、リアルタイムの活躍を見ることができる良い機会と捉えることができそうです。しかし実のところ、ファンからは否定的な声が多く上がっています。 例えば、「他のファンがタレントと接触しているのをあまり見たくない」という声。これはいわゆる “リア恋”枠のファンからの意見だと思われます。タレントをリアルな恋愛対象として応援しているファンも多いので、他の女性ファンと話しているところを見るのは嫉妬につながってしまいますよね。 一方で、それとは別の文脈として「そこまでタレントがこっちに降りてこなくていい」「距離が近すぎるのは嫌だ」という声も多数見受けられます。このファン心理は、ジャニーズのブランディングがうまくいっていたことの裏返しではないかと、私は考察しています。