ガン治療と妊活の在り方とは?広がる妊活方法の選択肢について
12月31日放送のCBCラジオ『八木志芳の私たちは求めてる』に「ガン治療をしながら妊活ができるのか」という相談が寄せられました。ガン治療と妊娠への影響や、選択肢の増えた最前線の情報を、婦人科の相談も行っているスマルナ医科歯科クリニック窪田真知医師が答えました。聞き手は八木志芳です。 ”尿”でわかる!新たながん検査とは?画期的な技術をチェック【動画】
ガン治療しながら妊活はできる?
「ガン治療をしながら妊活ができると聞いたことがあります。医学の進歩でガンは治る病気になってきました。特に若いガン患者やガンサバイバーの妊活の最前線を知りたいです」(Aさん) Aさんは現在ガン治療をしているわけではないそうですが、現状を知りたいと考えているようです。 窪田「ガンは治る病気になってきましたし、メディアでも芸能人がガンを治して復活したという話を聞くようになった」 八木の身近な人でも、ガン治療を受けて復活している人がいるかもしれないと同意します。実際ガンを治した後の妊活というのはどうなんでしょうか? 窪田「まずはガンの治療に専念していただきたい。いったんガンの状態が落ち着いてから妊活するというのが医療現場の基本」 なぜならば、抗ガン剤や放射線というのが胎児への影響を心配するから。さらに、生殖に関わるところに影響が及ぶことも。男性も女性も不妊症になる可能性があるそうです。 「健康を守るために必要な治療は受けなければならないのは当然」と前置きして、窪田医師はこう続けます。 窪田「ガン治療が落ちついた後の人生において、こどもが欲しいな、妊活したいな、という希望を持つことは、贅沢な願望ではない時代になってきた」 「妊娠の可能性を残す時代になってきた」と続ける窪田医師に、「そうですか」と安堵する八木。
妊活方法の選択肢が増えている
実際、妊娠の可能性を残す取り組みがされるようになってきているそうです。 窪田「妊娠できる力のことを妊孕性(にんようせい)というんですけれど、妊孕性を温存する取り組みなんです」 具体的にどのような取り組みをするのでしょう? 窪田「治療前の元気な状態の時に、男性の場合は精子、女性の場合は卵子を凍結保存する方法。または、結婚しているカップルの場合は受精卵まで作っておいて、受精卵である胚を冷凍凍結して保存する方法」 つまり手術や抗ガン剤、放射線の影響を受ける前の健康な状態の精子や卵子を保存しておく方法です。婦人科の生殖医療を担う医師と、ガンの治療を担う医師との協力体制が、ここ数年でかなり進んできたと窪田医師は感じてるようです。 八木「選択肢も増えてきたんですね」 窪田「そうそう。明るいニュースでは、卵子・精子のレベルじゃなくて女性の場合、卵巣という臓器を一旦外に出して冷凍しておいて、その治療が終わったお腹の中に戻して、その卵巣が自分で働いて、自分で妊娠出産までした」 この2~3年で、窪田医師の知っている範囲で3つ事例が報告されたそうです。