<紅い眼鏡>押井守監督の初実写映画 4Kレストアのクラウドファンディング 2日で達成
「機動警察パトレイバー」「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」などで知られる押井守監督の初実写映画「紅い眼鏡」の35ミリネガフィルムを4K画質にするプロジェクトのクラウドファンディングが、ウェブサイト「MOTION GALLERY」で4月29日にスタートし、2日間で目標金額に達成したことが明らかになった。ストレッチゴール(2番目の目標金額)として設定した1100万円も達成し、押井守監督、千葉繁さん、玄田哲章さんによる新規オーディオコメンタリーが制作されることになった。5月1日午前10時には、1700万円を超えて増え続けており、新たな特典を追加することを検討しているという。 【写真特集】押井監督の伝説の映画「紅い眼鏡」 声優やアニメ関係者も多数出演 ビジュアル一挙公開
同作は、声優の千葉さんのプロモーションフィルムを作るという自主映画企画だったが、次第に企画がスケールアップして、35ミリフィルム撮影での本格的な映画として制作され、1987年に公開された。伊藤和典さんが脚本を担当するなどアニメ「うる星やつら」の関係者、鷲尾真知子さんや田中秀幸さん、玄田さんら声優やアニメ業界関係者が参加した。故人となった声優の永井一郎さんや、アニメーターの大塚康生さんらに加え、岡本喜八監督映画の常連として知られた天本英世さんが月見の銀二役で出演した。
◇押井守監督のコメント(原文のまま)
「紅い眼鏡」は僕の初めての実写作品であり、その後の実写作品を「売れない」「当たらない」「難解」「退屈」「道楽」さらには「呪物」といった方向へ導いた所謂「犬の呪い」の始まりであり、その一方でいまだに続いている「ケルベロス・サーガ」の原点でもあります。すでにご覧になった方々には説明不要かとも思いますが、その評価は賛否両論とか毀誉褒貶とかいうより、ハッキリ言って9割までがボロクソだった不幸な作品ではありますが、なぜかごく一部の呪われた映画好きの人々と、あの「黑い動甲冑」の発する奇怪なフェロモンに惹かれたフェチな方々にとっては「酢豆腐のように後を引く」映画になったようで、現在に至るも原版は廃棄処分されずに生き残っております。ありがたいことです。監督としてこれに勝る喜びはありません。そこでさらに一歩踏み込んで今回のリマスター版のお話です。