読売新聞

　九州・山口の地銀は1日、変動型の住宅ローンの基準金利を相次いで引き上げた。大手行と足並みをそろえた形だ。上げ幅は、日本銀行が7月末に決めた政策金利の追加利上げ幅と同じ0・15％で、ローン契約者の負担が増えることになる。毎月の返済額は最短で来年1月から増額される。 【表】変動型の住宅ローンの最優遇金利

　現在、ローンを返済している契約者向けの基準金利について福岡銀行は3・075％から3・225％に上げ、山口銀や佐賀銀など、各県の地銀も同じ幅で引き上げた。実際に契約者が組んでいるローンの金利は信用度に応じて基準金利よりも低く設定されているが、基準金利の引き上げにより、返済中の契約者の金利には一律0・15％上乗せされることになる。

　例えば、九州の地銀で最低水準の0・475％の金利でローンを組んでいる場合、0・625％に上がる。5年前の2019年10月に3000万円を35年ローンで借り入れたとして試算すると、1月返済分から月々の支払い額が1705円増える。返済総額は約61万円増となる計算だ。今後、日銀の追加利上げがあれば、更に増える可能性がある。

　一方、新たにローンを組む契約者向けの最優遇金利については対応が割れた。九州フィナンシャルグループ傘下の肥後、鹿児島の2行は基準金利に合わせて最優遇金利も0・15％引き上げ、0・625％としたが、福岡銀や西日本シティ銀は0・475％に据え置いた。山口銀や大分銀も最優遇金利は変えなかった。