国交省長島ダム管理所職員や町職員、湖面利用者が集まった協議会＝21日午後、川根本町文化会館

　国土交通省長島ダム管理所は21日、川根本町の接岨湖で13日にスタンドアップパドルボード（SUP）をしていた男女2人が死亡した水難事故を受け、事故現場となった貯砂ダム付近での水上スポーツを禁止する方針を示した。湖を管理する同管理所や同町の職員らが再発防止策を協議する湖面利用協議会で明らかにした。 　貯砂ダム付近を利用禁止にする案が管理所から出され、町や湖面利用者も賛同した。貯砂ダムから上流約500メートル、下流約800メートルの水域を利用禁止にする見込み。進入禁止を示すブイや看板を設置するほか、周知活動を行う予定。事業者らが協力し、湖面パトロール隊を結成する案も挙がった。 　同管理所の川口一彦所長は「ダム運用開始から22年目で初めて起きた死亡事故。重く受け止めている」と述べた。 　接岨湖では事故翌日の14日から、水上スポーツを含む湖面利用を一時的に全面禁止している。カヌーやカヤックなどのツアーを展開する事業者からは利用禁止の長期化に伴う経済的打撃を懸念する声も出ていて、同管理所は今後1～2週間以内に禁止区域を制定し次第、湖面利用を解禁するという。 　事故は13日午前11時15分ごろに発生。接岨湖でSUPをしていた愛知県知立市在住の50代夫婦が、貯砂ダムの下流で溺れて死亡した。