ロバート馬場が「宮古島に飲食店を開いた」意外な理由。設備投資は「1800万円以上」
5年くらいで減価償却できればなと思っている
――減価償却はできたんですか? 馬場:正直、まだできていません。赤字ではないんですが、ギリギリ頑張っている感じです。向上はしているので、長い目で見て5年くらいで減価償却できればなと思っています。意外と爆発しませんでした(笑)。 ――それでもより良くするために、この2年でアップデートした部分はどこですか? 馬場:味については、常に研究してアップデートしています。醤油は全国各地のものを試してみて、北海道や大分などのものを使ってきました。今は、企業秘密ではあるんですが、大豆ではない原料をつかった特別な醤油を使うようになっています。 ――素材も更新されているんですね。調理法は変わりましたか? 馬場:出汁の取り方を変えました。福岡のうどん屋さんで出汁の取り方を見せてもらったときに、想像以上に長い時間をかけて出汁を取っていて。許可をとってこのやり方を真似してみることにしました。具体的には5分くらいで出汁を取っていたのを、30分ほどかけるようにしてみたら、より深い味わいが出るようになりました。
飲食未経験だった店長が2年で大きく成長
――減価償却を目指して利益を出すには、売上向上もそうですが、出て行くものも抑えないといけませんね。 馬場:お店一本ではなく芸人の仕事もやりつつなので、徹底的に経費をそぎ落としていくというよりは、ちょっと原価率上がってもいいものを出したいと思っています。だから、最初のころは、採算度外視で海ぶどうを入れていました(笑)。でも、さすがに原価の高騰がすごいので、なんとなくの目分量だったものを、しっかりと計って使うようになりました。というか、店長をはじめとする従業員がそうしてくれるようになりました(笑)。 ――飲食未経験だったのに、この2年で頼り甲斐が出ていますね。 馬場:責任感を持ってやってくれています。海ぶどうの量も、店長に「原価考えたら減らした方がいいと思います」と言われて、勝手に減らされるほど(笑)。最初の頃は、僕も厨房に入れていたんですけど、最近は入ろうとすると「やめてください!」と言われます(笑)。オペレーションやルールをきちんと決めてやってくれているから、寂しいけど嬉しいですね。 様々な困難を、スタッフとともに試行錯誤で乗り越えた2年。その経験をふまえて、自身2店舗目となる飲食店「マツミサカバ」を東京都目黒区にオープン。今後は地元の福岡をはじめ、全国での展開を目論んでいると熱く語った。「好きこそものの上手なれ」を地でいく馬場氏の挑戦はまだまだ始まったばかりだ。 <取材・文/Mr.tsubaking> 【Mr.tsubaking】 Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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