好かれようと思わなくて大丈夫...取材のプロが教える「関係が深まる会話の方法」
ジェスチャーや笑顔よりも、人は質問(関心)が嬉しい
たまに取材で、大げさなジェスチャーや笑顔を作るインタビュアーがいます。 もしかしたら「取材のときは緊張するものなので、笑顔はいつもの2割増しで」みたいなマニュアル本を読んできているのかもしれません。 しかし、そういう方の取材だと、逆にこちらが気後れしてしゃべりにくくなります。 作り笑顔の前に壁ができて、非常にむず痒い空気になってしまうものです。 はっきり言って、無理なジェスチャーや笑顔は、薄っぺらで気持ちの悪いものです。そういう偽りの表情や身振り手振りは、相手にもわかってしまいます。 私が取材を受ける際に気になった仕草としては「やたら頷く」「こちらが大した話をしていないのに無意味に驚く」「わかっている感を出しながら話を聞く」などいろいろあります。 どれも共通しているのは、大げさで薄っぺらであることです。 やはり肝は、そこではありません。 相手が何に喜ぶのかというと、自分に対する「関心」が嬉しいのです。 つまり大事なのは、聞き手が自分に関心を持って質問を投げ掛けてくれているか、そしてそれが伝わるかということでしょう。
無理して好かれようと思う必要はない
苦手そうな人やレジェンドクラスが相手であっても、関心があることがしっかりと伝わると、壁はおのずとなくなっていくものです。 「この人は緊張しているようだけど、しっかりこの取材に向けて準備してきているな」 「口数の少ない人だが、なかなか鋭い質問をしてくるな」 相手にこう思ってもらえればよいのです。 その場を取り繕おうとせず、素直に関心をまっすぐ相手に向けましょう。 一流と呼ばれる記者やインタビュアーは、みんな笑顔が素敵でジェスチャーの豊富な方ばかりでしょうか? むしろ強面な方や、リアクションの少ない方も多いのではないでしょうか? こういう方々は、圧倒的な知識や独自の切り口で自分の道を切り開いています。プロは、うわべではなく、自分のフィールドの中でとことん勝負するのです。 人は「ピンチだな」と感じたとき、どうしても考えすぎてしまうものです。それがどんどん裏目に出てしまう傾向にあります。 そういうときこそ、シンプルに素直に取材を進めていくことをオススメしたいです。 相手に無理に好かれようと思う必要もありません。 「嫌われなければ大丈夫」ぐらいに考えて、無駄に萎縮せず、虚勢を張らずに素直になりましょう。 人は、そう簡単に嫌われることはありません。
井手隊長