ガザ反戦運動はベトナム反戦運動のようになるか? 追い込まれるネタニヤフとバイデン
世界の大学で吹き荒れる反戦運動
東京新聞 5月1日「米大学、ガザ反戦デモ隊校舎占拠 警察が突入し逮捕、強制排除」、また、ロイター 5月7日「米コロンビア大、全校規模の卒業式中止 ガザ反戦デモ受け」など、米国の学生たちによる「ガザ反戦運動」が注目を浴びている。 【写真】ガザ地上戦で待ち受けるゲリラ掃討戦は世界に制御不能な事態を引き起こすか 米国だけではない。ロイター 5月4日「フランスでもガザ反戦デモ拡大、警察が校舎占拠の学生排除」、毎日新聞 5月3日「『パレスチナを開放せよ』 イギリスの大学でも抗議デモが活発化」など欧州でも学生たちの「ガザ反戦運動」が大きなうねりとなりつつある。 米国の「大義なき戦争」は、第2次世界大戦後数多く行われてきたが、その中でもこのような大規模な「反戦運動」につながったのは、「ベトナム戦争」くらいではないであろうか? 詳しくは、昨年11月7日公開「『ガザ侵略』と『ベトナム戦争』、再び米国は『大義なき戦争』に踏み込むのか」を参照いただきたいが、「ベトナム戦争」と「ガザ侵略」は極めて類似しているように思える。 そして、昨年7月20日公開「米国の非人道的クラスター爆弾供与は『ベトナム戦争化』の象徴」で述べたウクライナ戦争も、米国や欧州諸国の「なりふり構わぬやり方」でベトナム戦争化している。 2021年にジョー・バイデン氏が大統領に就任するまでは、イラク戦争、アフガニスタン侵攻などの米国の「大義なき戦争」は、(戦後処理を含めて)泥沼に陥っても、「ベトナム戦争化」は何とか回避することが出来た。 しかし、大統領就任後間もなくの2021年8月21日公開「サイゴン陥落のデジャブ『アフガン大返し』でバイデン3日天下?」で述べた惨めなアフガン撤退の後、2022年3月18日公開「プーチンだけが悪玉か―米国の『幅寄せ、煽り運転』がもたらしたもの」で述べたウクライナ戦争が2022年2月24日から始まった。さらには、昨年10月7日以降に(報復としての)ガザ侵攻が始まっている。 どちらの戦争も、米国は建前上当事者ではないが、ベトナム戦争の背後にソ連や共産主義中国が存在したのと同じ状況である。しかも現在の米国は、「関与」を隠そうとさえしない。 ウクライナ戦争、ガザ侵略のどちらにも、もちろん「大義」は無いが、事態をこじらせて「ベトナム戦争化」している大きな原因は、ジョー・バイデン氏の稚拙な軍事・外交戦略にある。