カナダ首相、米関税巡り州と協議へ トランプ氏主張に理解の声も
David Ljunggren [オタワ 26日 ロイター] - カナダのトルドー首相は26日、トランプ次期米大統領が表明したカナダへの関税導入を巡り、カナダは団結する必要があると述べた。対応を協議するため27日に10州の首相と会談する予定という。 トルドー氏は同政権がトランプ政権と4年間にわたり交渉してきた実績を強調。「米国関係には一定の努力が必要であることは承知している。本当に重要なことの一つは、われわれ全員が力を合わせることだ」と述べた。 こうした中、主要2州からトランプ氏の懸念に理解を示し、トルドー政権に対処を求める声も上がった。 国内最多の人口を抱え工業の中心地でもあるオンタリオ州のダグ・フォード首相は、トランプ氏が長年、国境の安全を懸念してきたことには十分な理由があると指摘。「不法移民が多すぎるという脅威に耳を傾ける必要がある。違法薬物や違法な銃器を撲滅しなければならない」と記者団に語った。一方で、いかなる関税も両国に損害を与えるとの見解も示した。 石油資源が豊富なアルバータ州のダニエル・スミス首相も、トランプ氏が国境での違法行為に関して抱いている懸念は正当だとした上で、「アルバータ州から米国へのエネルギー輸出の大半は、国境での違法行為に決して寄与しない、安全で安心なパイプラインを通じて輸送されている」と述べた。 トランプ次期米大統領は25日、就任初日にメキシコとカナダからの全ての輸入品に25%の関税を課し、中国からの輸入品に追加で10%の関税を課すと表明した。不法移民や違法薬物取引を巡る懸念を理由に挙げた。