鈴木保奈美 本気の舞台女優、7年間の「部活」クイズ賞金300万円は活動資金に 学びの究極は「コミュニケーション」
鈴木保奈美インタビュー(上) 鈴木保奈美(57)が女優としての「第二章」を果敢に挑んでいる。ドラマでの活躍はもちろん、あまり経験してこなかった舞台にも挑戦しているのだ。そんな〝女優魂〟全開の彼女に2回にわたって迫る。 【写真】豪華なジュエリーと大きく肩を露出したドレスを身にまとった鈴木保奈美 数々のトレンディードラマで主役を演じてきたが、舞台に立ちたいと思うようになり、7年前から俳優仲間や舞台関係者たちと演劇を学ぶサークル「部活」を始めた。 「何となく知り合いが集まっていった感じですが、お芝居の楽しさを教えていただいています」 そこでは、演技を磨くこと以上に大切なことを学んでいるという。 「究極には、人とコミュニケーションをとる重要性を学んでいます。(芝居に)正解はないので、くだらないことを言ってもいい。それがその人の味になるので。雑談から何かが生まれることもあるので、思うことを口に出していくのは大事だなって日々思います」 2020年にクイズ番組で全問正解した賞金300万円を「部活」での稽古場代やコピー代といった活動資金につぎ込んだというから、本気だ。 「たまたま賞金でいただいちゃったものだから。でも、もう資金は底をついて、なくなっちゃいましたけど」とおどけてみせるが、芝居を学ぶ場に使ったところに「演劇の優先順位の高さ」が伝わる。 7月5日からは三越劇場(東京都中央区)で、主演舞台「逃奔政走(とうほんせいそう)―噓つきは政治家のはじまり?―」に出演する。 「作・演出の冨坂友さんは、面白い作品をずっと書いていらっしゃる方で、私自身も一観客として毎回公演を楽しんでいたんです。その彼の作品に出られるというだけでうれしいです」 冨坂氏は、若き三谷幸喜作品を彷彿とさせるようなシチュエーションコメディーが得意だという。実は6年前、彼が脚本・演出を手掛ける劇団アガリスクエンターテイメントの舞台を見て、衝撃を受け、「この舞台に一緒に立ちたい!」と思ったという。まさに念願がかなった形なのだ。 彼女がこの舞台でどんな演技を見せてくれるのか、乞うご期待だ。