スバルの2024年4~9月期決算、円安で営業利益19.5%増 米国の競争激化で通期は据え置き
スバルが11月1日発表した2024年4~9月期決算(国際会計基準)は、売上高に当たる売上収益が前年同期比2.4%増の2兆2661億円、営業利益が同19.5%増の2219億円となり、4年連続の増収増益だった。海外市場の販売状況や在庫水準を踏まえて、通期の生産計画を1万台減、販売計画を3万台減とし、それぞれ95万台に下方修正した。通期業績見通しは為替影響などを織り込んで据え置いた。 24年4~9月期の世界販売台数は同4.2%減の45万台だった。国内生産は今年2月の労働災害をきっかけとする生産調整の影響で同7.1%減の29万8千台となった。これにより海外販売台数も同5.8%減の40万台にとどまった。 営業利益は円安による為替影響が720億円の増益要因となり、米国での販売奨励金(インセンティブ)の増加など「売上構成差等」での441億円の減益を打ち返した。通期の販売台数計画を引き下げたものの、為替影響による増益を見込み、業績見通しは据え置いた。 米国では競争激化によりインセンティブが増加し、台当たり利益を押し下げている。それでもスバルでは、年間平均のインセンティブを業界平均の6割程度に当たる台当たり2千ドルの水準にとどめる計画だ。水間克之取締役専務執行役員CFO(最高財務責任者)は「前年に比べればシェアも上がっており、小売のモメンタム(勢い)は変わらない。低いインセンティブと在庫を管理しながら、小売を伸ばす形は維持できている」と話した。