新藤兼人賞の金賞は「ナミビアの砂漠」山中瑶子、銀賞は「侍タイムスリッパー」安田淳一
2024年度新藤兼人賞の受賞者が決定。金賞には「ナミビアの砂漠」の山中瑶子、銀賞には「侍タイムスリッパー」の安田淳一、プロデューサー賞にはコギトワークスの代表取締役を務める関友彦が選ばれた。 【画像】「侍タイムスリッパー」で注目を集める安田淳一 日本映画製作者協会に所属する現役プロデューサーが、その年度でもっとも優れた新人監督を選出する新藤兼人賞。215の選考対象作品のうち、12名の監督による作品が最終選考に進んでいた。 「ナミビアの砂漠」は山中が河合優実を主演に迎えオリジナル脚本を執筆した作品。何に対しても情熱を持つことができない21歳の女性が、恋人やクリエイターと過ごす等身大の姿をみずみずしく描いた。第77回カンヌ国際映画祭の監督週間に出品され、国際映画批評家連盟賞を受賞。河合のほか、金子大地、寛一郎らが出演した。 「侍タイムスリッパー」は幕末の京都から現代にタイムスリップした会津藩士の姿を描いたチャンバラ活劇。安田がオリジナル脚本を執筆した自主制作作品で、東映京都撮影所の協力のもと制作された。1館での封切りから口コミで話題が広がり、11月18日時点で全国338館での拡大公開が決まっている。出演は山口馬木也、冨家ノリマサ、沙倉ゆうのら。 プロデューサー賞は優秀な作品の完成に貢献を果たしたプロデューサーや企画者の功績をたたえるもの。関は今年プロデューサーとして、1997年の制作頓挫から27年越しに完成・公開された「箱男」、入江悠が河合を主演に迎えて実在の少女にまつわる事件を映画化した「あんのこと」、3人の若者が“世直し” と称してささいな違反や差別に牙をむいていく物語「若武者」を手がけた。 「若武者」は関のコギトワークスが設立した映画レーベル「New Counter Films)」の第1弾作品で、坂東龍汰、高橋里恩、清水尚弥が出演し、二ノ宮隆太郎が監督を務めている。なお待機作には甫木元空が青山真治の企画を引き継ぎ監督する「BAUS 映画から船出した映画館」、原田マハの小説を原作に伊藤沙莉が主演する「風のマジム」がある。 2024年度新藤兼人賞の授賞式は12月6日に東京・如水会館スターホールで開催。 ■ 2024年度新藤兼人賞 □ 金賞 山中瑶子「ナミビアの砂漠」 □ 銀賞 安田淳一「侍タイムスリッパー」 □ プロデューサー賞 関友彦 「箱男」プロデューサー / 製作プロダクション 「あんのこと」プロデューサー / 制作プロダクション 「若武者」プロデューサー / 製作プロダクション / 配給 □ 最終選考作品 竹岡寛俊「アダミアニ 祈りの谷」 マヒトゥ・ザ・ピーポー「i ai」 蘇鈺淳「走れない人の走り方」 木寺一孝「正義の行方」 松本佳樹「地球星人(エイリアン)は空想する」 飯島将史「プロミスト・ランド」 安田淳一「侍タイムスリッパー」 山城達郎「心平、」 山中瑶子「ナミビアの砂漠」 奥山大史「ぼくのお日さま」 道本咲希「ほなまた明日」 空音央「HAPPYEND」 ※劇場公開順