『HUNTER×HUNTER』『幽☆遊☆白書』が福岡に 冨樫義博展が開幕
『幽☆遊☆白書』や『HUNTER×HUNTER』で知られる人気漫画家・冨樫義博さんの画業35周年を記念した展覧会「冨樫義博展 -PUZZLE-」が11月18日~来年1月14日、福岡市博物館(早良区)で開かれます。全国巡回展で、九州では唯一の開催。多くの人を魅了する“漫画界屈指のストーリーテラー”の神髄に迫ります。 【写真】制作過程や作品の魅力を伝える、五つのエリア
画業35年を記念して
冨樫さんは1987年、「週刊少年ジャンプ増刊 Winter Special」に読み切り作品が掲載されるなどし、画業を本格化。「週刊少年ジャンプ」で連載2作品目の『幽☆遊☆白書』(1990~94年)が大ヒットし、その後『レベルE』(95~96年)、『HUNTER×HUNTER』(98年~)を発表しました。 巧みなストーリー展開が、幅広い世代に支持され、シリーズ累計発行部数(2022年9月時点)はデジタル版を含めて、『幽☆遊☆白書』が5000万部、『HUNTER×HUNTER』が8400万部をそれぞれ突破しています。 今回の巡回展は、2022年に画業35年を迎えたことを記念してスタート。東京(2022年10月~23年1月)、大阪(7~9月)を経て、福岡は3か所目で最後の会場です。
創作の精緻なパズル
直筆の漫画原稿や本展初公開のイラスト、制作資料など計約340点を展示。五つのエリアで、精緻(せいち)なロジックで展開されるストーリーの制作過程や、その魅力を伝えます。 ◆プロローグエリア 歴代の作品に登場したキャラクターが、パズルのピースとなって迎えます。複雑で魅力的な世界を生み出す冨樫さんの創作過程を「パズル」に見立てた、今回の展覧会の象徴的なエリアです。 ◆『幽☆遊☆白書』エリア 主人公・浦飯幽助をはじめ、キャラクターごとに名場面や名ゼリフを刻んだ原稿が並びます。幽助と桑原、飛影、蔵馬の4人の厳選アクションシーンもあり、激しい戦いの痕跡をたどります。 ◆『レベルE』エリア 「バカ王子」を中心とした宇宙人と地球人の奇妙な交流を描いたSFストーリーを、エピソードごとに展示。時空がゆがんだかのような空間の中で、異色の作品の魅力を深掘りします。 ◆『HUNTER×HUNTER』エリア 父と同じ「ハンター」を目指して故郷を旅立った少年・ゴンたちの成長を追い、壮大かつ緻密に描く作品世界を名場面とともに紹介。冨樫さんのメモに基づいてまとめられた、作中で重要な意味を持つ「念能力」に関する展示も必見です。 ◆「冨樫義博」エリア 35年の画業を一望できる“にぎやかでカオスな空間”です。87年発表の『とんだバースディプレゼント』など初期作品の原稿や、各作品のカラーイラスト、最新の描きおろしキービジュアルイラストを展示します。 『鬼滅(きめつ)の刃(やいば)』の吾峠呼世晴さん、『ONE PIECE』の尾田栄一郎さんをはじめ、著名漫画家らが直筆色紙とともに寄せたメッセージも並びます。 なお、お笑い芸人のバカリズムさん、声優の浪川大輔さんによる音声ガイドも用意。作品にまつわる謎解きクイズもあります。貸出制(税込み700円)です。 作者が創造し続ける「パズル」。その一つひとつのピースが完成するまでの思考の過程にも思いをはせながら、展覧会を楽しんでみてはいかがでしょうか。