振袖を引き立てる3脇役「衿・帯締め・帯揚げ」選び方は?コーデのコツをプロが解説
華やかな振袖をさらに引き立てる和装小物の選び方について、髙島屋呉服部が答えます。
振袖に合わせる【衿】は2種類
振袖の帯合わせのタイミングで、そのほかの小物 衿、帯締め、帯揚げも一緒に選ばれると、全体のバランスをみながらコーディネートをしやすいのでおすすめです。 まず、衿には2つの種類があります。ひとつは着物と長襦袢の間に入れて、衿もとの「色重ね」を演出する色がついた衿(重ね衿、伊達衿)、もうひとつは、長襦袢につける衿(半衿)です。 「重ね衿」は、古来、色を重ねるという和装ならではの美意識の表現と、やはり色数を増やすことによってより華やかさを増す効果があり、通常はおつけいただくようおすすめしています。おもに1色の重ね衿を使用することが多いですが、お好みによっては2色重ねるケースや、金銀色の重ね衿を合わせることもございます。重ね衿の色を変えることで、想像以上に着姿やお顔の印象が変化しますので、振袖選びの際はぜひいろいろな衿を試してみてください。 <写真>重ね衿と帯締めと帯揚げは、同じ赤に揃えてセレクト。絞りの着物のクラシカルなイメージを華やかに引き立てています。振袖1,430,000円(表地)(髙島屋) 帯(川島織物)
「半衿」は長襦袢につけて使用しますので、長襦袢をお誂えされる際に、一緒に選んでいただくとよいでしょう。最近は、振袖姿に刺しゅうで柄付けした半衿(刺しゅう衿)を合わせるコーディネートも増えています。刺しゅうのボリューム感や模様のかわいらしさも振袖姿を引き立たせる効果があります。もちろん刺しゅうのない無地の半衿でも大丈夫ですので、お選びの振袖の衿元の色柄のバランスを見て、どちらかを選ばれるとよいでしょう。 <写真>さまざまな色柄の刺しゅう半衿。(※イメージ画像)
【帯締め】と【帯揚げ】の色選び
次に、帯締めと帯揚げですが、こちらも重ね衿と同様、着姿の印象を仕上げる大切なものになります。帯締めや帯揚げの色を、振袖や帯に使われているメインと感じる色に合わせると、装い全体の色数を増やさず、無難なコーディネートにまとまりますが、帯に使われていない色を帯締めや帯揚げに加えていくと、より自分らしさを高めるコーディネートを楽しむこともできます。 帯締めと帯揚げの色は、揃えてもまとまって素敵ですが、あえて違うものを選んでもよく、例えば、振袖の柄の中に使われているアクセントカラー1色を帯締めと合わせて、コントラストが効いた個性的な印象に、そして帯揚げを振袖の地色に近い色にまとめて……といった感じで、組合せを楽しみながらコーディネートされることもおすすめです。 <写真>重ね衿と帯締めの色は、着物の模様に使われているアクセントカラーの水色をセレクトし、印象的に仕上げています。振袖1,320,000円(表地)(髙島屋) 帯(川島織物)
帯締めは、振袖用として平らに組まれたもののなかでも、金糸を使いやや幅が広いものや、紐を交差しながら組んでボリューム感をもたせたものなどが振袖用として好適です。帯〆の柄や組み方などのさまざまな表現のなかからお好みやイメージにあわせてお選びになるとよいでしょう。 帯揚げは、絞りを使ったものがボリューム感もあり振袖用に好まれます。実際に結んだ時には、生地が広がることによって絞りの白い部分が見えますので、結ぶ前の状態で見た色のイメージとは若干異なり、これも可能であれば実際にフィッティングされて確かめられるとよいと思います。