「サウナで整うつもりが結局作品のネタ探しでしんどかった」女性漫画家・まんきつ「49歳の今は人から求められることを断る勇気も」
2012年に始めたブログ「まんしゅうきつこのオリモノわんだーらんど」が注目を集めた漫画家・まんきつさん。漫画家としての道を順調に歩んでいたものの、会社員の仕事や家事との両立、さらにはブログへの心ない誹謗中傷コメントのストレスから、お酒に手を出すように…。家族の助けもありアルコール依存症から抜け出し、その後、今もライフワークとなっているサウナと出合いました。ところがそのサウナ通いにも悩みが生まれはじめます。(全3回中の2回) 【画像】「この美貌で漫画家ですか?」お肌ツルツル!アラフィフの今もお美しいまんきつさんの近影からサウナにハマったエピソード漫画まで(全8枚)
■サウナ漫画を描き始めるも新たな苦悩が ── サウナにハマった経験をもとに描いた『湯遊ワンダーランド』も人気です。人物描写がおもしろすぎるんですよね(笑)。まんきつさんの作品は基本的にご自身の体験をもとにしたエッセイ漫画ですが、体験ベースだからこその大変さなどもあるのでは? まんきつさん:ありましたね。結局エッセイって、偶発的に「こういうことがあった!」っていうのが、一番おもしろいし、描いていても楽しい。それが「ネタを取りに」いっちゃうようになると、ダメなんですよね。
サウナって、基本的に平和で何も起こらない空間じゃないですか。なのにひたすら話題を取りにサウナに通っていた時期があって、そのときはけっこうキツかった。取りに行ったのに結局何もゲットできず「これ描いても絶対つまんないよな」ってわかっているのに、ウケ狙いの展開で描いちゃう。そういうのは本当におもしろくないんですよね。当時の編集担当にネームを送ったら、殴り書きで「スベってる」って赤字入りで戻ってきたり…。だから後半はしんどかったです。
──整えにいくはずのサウナにネタ探しにいくのは確かにつらそうです…。どう折り合いをつけたんですか? まんきつさん:「何も浮かばない…」「もう描くネタがない…」となり、2巻で終わらせてもらいたいと編集担当に相談したんですが、3巻目はもう進行している状態。それでも編集担当に弱音を吐き続けていたら、なんと「僕いなくなります」という言葉とともに彼が音信不通になってしまい…。その様子を描いているのが、3巻の終わりに掲載されている『ばっくれワンダーランド』の回です。