“80億円”の男スコッティ・シェフラーが3年越しのリベンジに成功! 初のフェデックスカップ年間王者に輝く
PGAツアーシーズン最終戦ツアー選手権でスコッティ・シェフラーが優勝し初の年間王者のタイトルを獲得した。2位のコリン・モリカワに5打差のトップからスタートした最終日は8番でバンカーから珍しいシャンクを打ち一時2打差に詰め寄られたが9番から3連続バーディを奪って逃げ切りパリ五輪の金メダルに続く年間7勝目をゲット。ボーナスを含む賞金2500万ドル(約36億7千万円)を獲得し年間獲得賞金は驚異の5500万ドル(約80億円)に到達。なお、レギュラーシーズンにおける“コムキャスト ビジネス・ツアートップ10”のボーナス(800万ドル)を入れると約92億円を獲得したことになる。 ツアー選手権最終日の松山英樹の様子はこちらから
ポイントランク上位者にアドバンテージを与えるスタートスコアリング方式により10アンダーからスタートしたシェフラーだが内心不安もあった。 それは一昨年と昨年、やはりトップでツアー選手権に出場したにも関わらず22年はローリー・マキロイに23年はビクトール・ホブランに逆転を許し戴冠を逃した苦い思い出があるから。 昨年すでにスタッツ的には「タイガーを超えた」といわれた実力で今季はマスターズ、プレーヤーズ選手権、そして4つシグネチャーイベント(昇格試合)に勝ち金メダルまで獲得した世界ナンバー1に唯一欠けていたのが年間王者の称号だった。 喉から手が出るほど欲しかったタイトルを手にすると勝因は「メンタルだったと思う。ピンチもあったしコリン(モリカワ)や他の選手が追いかけてきたけれど勝てたのは幸運というほかない」と控え目なコメント。 年間7勝は2007年のタイガー・ウッズ以来14年ぶり。「コース以外でも色々なことがあって激動の1年だったけれど家族や友人、チームそしてファンに支えられたからこそ達成できた」。 タイガーは00年に年間9勝、99年と06年に年間8勝を挙げており全盛期の99年から00年の2シーズンで計17勝。シェフラーはまだ28歳。タイガーの記録を抜く日が来る可能性もある。 驚くのは今季の獲得賞金。年間王者のボーナスも含めたツアー選手権で2500万ドルを稼ぎ、前週までに獲得した約3000万ドルを足すとおよそ80億円を8カ月ちょっとで稼いだことになる。単純計算で月収10億円だ! 1996年のツアーデビュー以来タイガーが獲得した生涯獲得賞金は1億2千万ドル強だから日本円にすると約175億円。その半分近くをシェフラーは1シーズンで稼いだことになる。 LIVゴルフがスタートしてから3年。選手流出を防ぐため年々賞金が高騰しているPGAツアーだがこのバブルはいったいどこまで続くのか? シェフラーの優勝ももちろん素晴らしいが余計なことを考えてしまう最終戦だった。 ちなみに松山英樹は腰痛も癒え「去年出られなかった分、今年出られてうれしかった」と9位タイにも明るい表情。今後は26日に開幕するアメリカ対インターナショナルのチーム対抗戦プレジデンツカップに世界選抜のエースとして出場する。 撮影/Blue Sky Photos ※2024年9月3日18時51分、一部加筆修正しました。
川野美佳