就任1年目としては歴代最多勝利 ソフトバンク・小久保裕紀監督が頂まで辿った指導者での道のり
ソフトバンクが4日のロッテ戦(みずほペイペイD)でシーズンの全日程を終えた。 この試合に勝利し91勝目を挙げた小久保裕紀監督は、02年の西武・伊原春樹監督と15年のソフトバンク・工藤公康監督の90勝を抜き、就任1年目の監督として歴代最多勝利をマークした。 貯金42、13.5ゲーム差と独走での4年ぶりV。チーム別成績でも打率・本塁打・得点そして防御率など、攻守いずれの項目でもリーグ1位を占めている(いずれも4日現在)。 上述のように大きな成果を残したが、ここまで来るには順風満帆ではなかった。 小久保監督が指導者としてチームに復帰したのが20年オフ。 17年の第4回WBCで侍ジャパンの指揮を執った経験などから次期監督候補と目され、一軍ヘッドコーチに就任した。 しかしそのヘッドコーチ時代、選手たちに注意を徹底するなど厳しい指導が仇となり、”総スカン”を受けたという。 天性のリーダーシップを持ち、学生時代から常に主将としてチームのまとめ役だっただけに、現役時代を知るファンは少なからず驚きがあったかもしれない。 結果21年は4位に沈み、オフには二軍監督へ配置転換となった。 ここでは一軍そして支配下登録を目指す選手たちと共に、一日中汗を流す日々を送った。ファーム日本一になった昨年は選手権後のバーベキューで若鷹戦士を労うなど、向き合い方を変えていった。 2年間の二軍監督生活を経て、今シーズンから一軍監督に就任。開幕前に緒方理貢・川村友斗・仲田慶介の“育成三銃士”が支配下登録となり、話題を呼んだ。 加えて19年ドラフト1位の佐藤直樹、期限が迫ったタイミングの7月には中村亮太・三浦瑞樹・前田純・石塚綜一郎と計8人を支配下登録した。 自身が熟知する若手選手と層の厚いメンバーが揃った中堅・ベテランをうまく融合させ、”勝って当たり前”のプレッシャーがある中でも圧倒的な成績でリーグ優勝へと導いて見せた。 ここからクライマックスシリーズそして日本シリーズと戦いは続く。次は”就任一年目での日本一”に向けてラストスパートを駆け抜ける。
まるスポ編集部