ニュージーランドで1万人規模のデモ、先住民マオリ支援縮小法案巡り
ニュージーランド(NZ)で、先住民マオリの権利保護を求めて、1万人規模のデモが起きている。右派の少数政党アクト党が、マオリの権利を定めたワイタンギ条約の解釈を見直す法案を発表したことがきっかけだ。マオリの権利を後退させるとして反対の声が上がっている。(オルタナ副編集長=吉田広子) NZの先住民マオリは、総人口の約17%を占める。マオリの伝統的な踊り「ハカ」は、ラグビーのNZ代表が試合前に披露することで知られる。 マオリの権利を保障するワイタンギ条約は1840年に、英国王室とマオリ首長との間で締結された。NZのアクト党は、この条約がマオリの権利を過度に保護し、非マオリの人々を不利にさせるとして、解釈を見直す法案を発表した。 だが、マオリの平均寿命は非マオリより7年ほど短く、進学率や就職率も低いことから、マオリがさまざまな課題を抱えていることが指摘されている。 11月14日のNZ議会では、議員がハカを踊り、法案に抗議した。 法案に反対する人たちは、首都ウェリントンにあるNZ議会議事堂に向けて、ヒコイ(平和的な抗議行進)を続けている。現地報道によると、各地の集会には、数千人から1万人の人たちが集っているという。11月17日には数万人が議事堂周辺に集まる見込みだ。