日本経済をどん底に突き落とし、株価を暴落させる

　また、10月27日解散総選挙は石破氏の強みである「危機管理」を投げ捨てている点も注目に値する。石破氏は「防災庁」を設立して危機管理体制を強化するとしている。ところが、その同じ人物が被災に苦しむ能登半島を無視した日程で選挙を行うというのだ。当面の豪雨対策は予備費から支出するとしているが、震災から豪雨と踏んだり蹴ったり状態の能登に必要なものは補正予算であろう。自己の政局を優先し、安全保障や危機管理の専門家が聞いて呆れる、国民に対するあまりに酷い裏切り行為だ。 　石破氏は、同盟国である米国とほぼ何も調整することなく、アジア版NATOの枠組みの中での核共有などと夢想的な話を持ち出し、安保オタクとして言葉遊びに興じているが、国内の災害対策すらマトモにできない人間に何ができるというのか。 　最後に、10月27日投開票のスケジュールには更なる増税を進める意図もある。例年のごとく、選挙明けの11月には与党税制調査会が開催される見込みとなっている。つまり、10月中に選挙を行って衆議院過半数を獲得することで、国会で何も論戦がほぼ交わされていないにも関わらず、石破氏が総裁選挙中に口走ったあらゆる増税が正当化され、同会で決定されるという寸法だ。あまりに強引なやり口であり、今後も石破政権では日本経済が浮上する可能性はほぼないだろう。 　まさに石破氏がやらんとしていることは、日本経済をどん底に突き落とし、株価を暴落させるとともに、能登半島災害ほったらかしの危機管理力ゼロの政治である。随分と国民も舐められたものだ。