<漫画>「夫が突然殺された」女性漫画家が育った驚きの家庭環境「母の手料理を1度も食べたことがない」
「妹と顔が似ていない」真相を母に問い詰めたが…
――ちょっと『キアラ』の世界観がわかったように思います(笑)。お子さんの立場からすると、どう感じるものなのですか? 森園:実はその後、しばらくして母も亡くなるんですね。前々から、「私たち姉妹の父親は、全員別々なんじゃないか」という説が出ていたんですよ。顔も似てないし。妹なんて愛人と思われるある男性にそっくりなので(笑)。それで、母が亡くなる前、入院しているときに、妹が問い詰めたことがあるんです。しかしついぞ口を割らなかったらしいです。あっぱれな母親だなと思います。そういえば村崎が亡くなる以前から母は脳梗塞による半身不随状態だったのですが、村崎は「義母さんは俺より長く生きるよ」と明言していました。ちょうど先ほどお話しした、村崎が自身の死を予期していた時期です。そして、実際にその通りになりました。
当時は実家を出たくて仕方がなかったが…
――そこまでくると、自分勝手を通り越して豪快なお母様ですね。 森園:どうも母には父と結婚する前、交際していた男性がいたらしいんですね。しかしその方には家庭があった。それで言い寄ってきた父と結婚したらしいんです。父が死ぬ前、病気が何とかならないかと思って、霊媒師を呼んだことがあるんです。すると霊媒師が母親に、「愛してもいない男と一緒になったあんたが悪いんだ」って説教始めて……とうとう母親は泣いていました(笑)。 もともと派手はところはあったんですけど、とある政党の方々と顔見知りになって交流していくうちに、拍車がかかった印象はありますね。著名な方との写真とかも家にありましたよ。政治絡みの方はお金をたくさん持っているから、いろいろなものを変えられてしまうんだなと感じたのを覚えています。 ――森園先生はお母様に対して、いま、何を思いますか? 森園:当時は本当に家が嫌で、出たくて仕方なかったですね。それで東京に出てきて、デザインの専門学校へ入学し、漫画の投稿をやったりしていたらこうなった、という人生なんです。母をひとりの女性としてみたとき、間違いだらけだと思う一方で、あそこまで好きに生きれるってすごいなとも感じます。同時に、私たち姉妹にも、少しずつ母の要素が入っているように感じるんですよね。特に男性に対しての考え方などが似ていることがあって、ぞっとします(笑)。私たち姉妹は全員離婚歴がありますしね。でも、なぜか父と母はついに離婚しなかったんですよね(笑)。