大関同士の出世争い 大の里&琴桜 二所ノ関一門連合稽古でバチバチ互角の20番
大相撲九州場所(10日初日、福岡国際センター)に向けた二所ノ関一門の連合稽古が4日、福岡市東区の佐渡ケ嶽部屋で行われた。年間最多勝を争う新大関・大の里(24=二所ノ関部屋)と大関・琴桜(26=佐渡ケ嶽部屋)が三番稽古を行い、大の里が11勝9敗と勝ち越し。秋巡業を感染症による体調不良で途中離脱した大の里は持ち前の出足は影を潜めたが、先輩大関との互角の内容の稽古で復調への手応えをつかんだ。 白まわしの関取20人がひしめき合う稽古場。活気にあふれた稽古を締めたのは看板の2大関だった。今年56勝を挙げている大の里が年間最多勝を争う同52勝の琴桜と連続で20番。新大関は必死に食い下がって11勝9敗と勝ち越したが「いい部分と悪い部分が出た。内容的にもまだまだだったと思う。下半身と細かいことを意識して、しっかりもう一回見つめ直したい」と気持ちを引き締めた。 10月27日に終わった秋巡業は「アデノウイルス感染症」による体調不良で途中離脱。福岡入り後の30日から本格始動したばかり。この日も持ち前の迫力十分の出足は影を潜め、相手の陣地には一度も踏み込めなかった。ただし先輩大関の積極的な攻めに苦しみながらも、左を巻き替えもろ差しになって出るなど新境地も見せた。「大関とやることができて良かった。大関と稽古することで調子も上がってくる。しっかり自分のものにしたい」と収穫を口にした。 師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)は「いい経験にはなった。あとは場所前の1週間を充実したものにする。そこだけ」と指摘する。あくまで稽古は稽古。場所で結果を出すためには何が必要か。ここからが勝負となる。「1週間を短いと捉えるか、長いと捉えるかは自分次第。自分はまだ1週間もあると思っているし、まだ良くなると思う。しっかり修正して、初日に間に合うように頑張りたい」と前向きな言葉で締めくくった。