ブロックせずに「全員レシーブ」…都道府県対抗中学バレー、女子は京都が初優勝
バレーボール・全国都道府県対抗中学大会最終日(28日・Asueアリーナ大阪=日本バレーボール協会、読売新聞社など主催)――準決勝と決勝が行われ、男子は東京が2大会ぶり8度目の頂点に立ち、女子は京都が初優勝した。決勝の男子は東京が大阪南に、女子は京都が東京にストレート勝ちした。日本バレーボール協会(JVA)が最も将来を有望視する選手に贈るJOC(日本オリンピック委員会)・JVAカップは、男子が鹿児島の田中洸(肝付町立高山中3年)、女子は東京の大雲舞子(八王子実践中3年)が選ばれた。
平均身長やパワー、全国大会の実績は相手が明らかに格上だ。そんな不安要素を一蹴(いっしゅう)するだけのレシーブ力が京都女子にはあった。
相手選手がアタックライン前方にいない限りブロックは置かず、全員がレシーブに回る。他チームと比較して大柄とはいえない選手が多いチームは、定石とは異なるこの戦術を結成時から磨いてきた。当初は連係がうまくいかず練習試合で連敗。1か月後には高校生の強豪チームと渡り合うまでになり、三宅主将は「身長差があってもこれなら勝てると自信がついた」と振り返る。
決勝でも東京の強力スパイクをしぶとく拾った。第2セット中盤ではミスが続いたが、「必ずみんながフォローしてくれると信じていたから、焦りはなかった」とエース山田。ラリーに持ち込み、ともにエースを担う浪江とスパイクを決めた。
試合後、選手は口をそろえて言った。「日本一なんて、最初は考えもしなかった」。独自のバレーを突き詰めた先に、初の栄冠が待っていた。(後藤静華)
◆次世代有望選手▽男子 栗生沢礼乙(福井)、税所蓮嘉(宮崎)、田中▽女子 大雲、頼冨果穂(鹿児島)、西村里音(大阪南)◆ベストセッター賞▽男子 今村奏翔(熊本)▽女子 小林天音(東京)◆ベストリベロ賞▽男子 泉蓮太郎(大阪南)▽女子 西宮麻央(長崎)